hajime363

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のhajime363のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

報道の自由を守るためのリスクと決断の物語。

本作が初の映画化となるリズ・ハンナの脚本を「スポットライト 世紀のスクープ」でアカデミー賞最優秀脚本賞を獲得したジョシュ・シンガーがブラッシュアップしたということで納得の完成度。もう既に最高です。ありがとうございました。

個人的にはフックしたポイントはスピルバーグ監督が女性を主人公に撮った映画ということ。
これまでの作品は男性が使命に燃え困難に打ち勝つ物語の印象が強い監督ですが、今回はブラッドリー(トム・ハンクス)が主人公ではなく、キャサリン(メリル・ストリープ)の物語なんです。

特にそれが顕著だと感じたのは物語のハイライト。
訴訟のリスクの中、記事を書き上げる記者たちが作業する場所がブラッドリー(WPの編集長)の自宅ということ。
普段のスピルバーグ作品では、男性が家族から遠く離れ奮闘するじゃないですか、で、帰ってきてハッピーエンド。
でも、今回は自宅で家族と一緒なんです。そして、それがとても良い味を出しています!
ブラッドリーの妻はサンドイッチを作り、娘はレモネードという自分なりの方法で奮闘を支えます。
そして、特筆すべきは主人公であるキャサリンの決断の重みをブラッドリーに説くのは妻なんですね。しびれる。

一番好きなシーンはキャサリンが最後の決断を言い渡した後、印刷→配送の流れ。
それまで、キャサリンの言葉の中で語られてきた会社と従業員を思う経営者としての気持ちと責任感が視覚的に直接、観客に伝わってきます。「あー新聞作りって、めっちゃ人が関わってるーさっきの決断重いやつだー」ってなって号泣。

スピルバーグ監督、さすがです!
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