KenzOasis

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のKenzOasisのレビュー・感想・評価

4.0
「なら、私の決意は変わらない」

泥沼化するベトナム戦争の経過を分析、記録した最高機密文書。
Wポスト紙は株式を公開して、資金力と会社としての持続力を高めようというところだった。
その絶妙なタイミングで、最高機密文書をスクープするかしないのか、という決断を迫られる。
真実を暴けば、政府は法を巧妙に縫い合わせて全力で潰しにかかる。20年に渡る政府の大嘘はそのまま進む。当初の目的は破断となってしまう。
真実か保身か。

ジャーナリズムの本質を描いた作品。非常にスピード感のある、手に汗握る正義と正義のぶつかり合いの映画だった。
社内の熾烈な争いとニクソン元大統領の猛烈な悪役っぷりが印象的。
ラストにかけて女社長ケイの雰囲気が一気に変わり、決断の大きさを物語っている。
歴史とは不思議なものだ。"もしも"なんてないけど、なるべくしてなったとしか思えない出来事もたくさんある。

メリル・ストリープとトム・ハンクスの共演をスピルバーグ監督が。3つのビッグネームがジャーナリズムの本質を描こうというのだから、否応にも映画館に引き寄せられる。ソウル・グッドマンもいて個人的にニンマリ。
後半からめちゃくちゃ面白い。

勉強不足なものでラストシーンがなんなのか最初はわからなかったけど、ウォーターゲート事件につながるわけか。しかもそれがまたWポスト社によるスクープを発端としていると。
これぞジャーナリズムと言いますか、かっこいい仕事ぶりを見せてもらった。
「新聞は歴史書の最初の草稿」って素晴らしい名言。

ノーラ・エフロン作品はユーガッタメールが大好き。
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