mikaramu

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のmikaramuのレビュー・感想・評価

4.5
「スポットライト」好きなら堪らない、70年代アメリカのブン屋たちの格好良さ。

トランプ政権への対抗としてスピルバーグが特急で作ったらしいが、あくまで人間ドラマとして堅牢に練られており、それゆえ新聞における活字1文字、1行、1ページの重みと緊張感が嫌味なく響いてくる。報道と経営、という生々しい問題も避けずに描かれとても勉強になる。

言うまでもなく、今まさに公権力が「文書」の価値を蹂躙しまくっている日本でリアルタイムで観られるべき作品です(ある意味、アメリカ以上に日本で観たほうがいいくらい)

以下ネタバレ。

明日のこの一面を刷るか、刷らないか。刷ることを選択した時、編集部フロアまで揺れる輪転機の振動の尊さ。

裁判に勝って出てきても女性経営者という色眼鏡からメディアに無視されるメリル・ストリープ。しかし一方で彼女にしっかりと無言のエールを送る普通の女性たち(このシーンで私は近年最大の涙腺決壊)。

スピルバーグ、そしてアメリカ(の民主主義)の底力を随所で味わえました。
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