Yu

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のYuのレビュー・感想・評価

4.1

リーアム・ニーソン主演の「ザシークレットマン」を2月にたまたま鑑賞し、それを観るために「大統領の陰謀」を観返していたのは、今から振り返れば今作を観るために前から仕組まれていたのではないかと思うほど全てが見事に繋がっていた。
ラストのあのシーンには思わず声が出そうになったぐらい鳥肌が立ったし、興奮が止まらなかった。

ウォーターゲート事件を暴き、ニクソンを辞任に追い込んだワシントンポストと謎の人物ディープスロート。ワシントンポスト側の話は「大統領の陰謀」だし、ディープスロート側の話は「ザ・シークレットマン」。
そして、その序章として位置づけられる今作では、何故、他の新聞社ではなくワシントンポストだったのか、ニクソンを追い込む執念はどこから生まれたのかが克明に描かれている。

だがしかし、それは今作の伝えたいことのほんの一部でしかない。

今作は、“報道の自由”を守り勝利した話であるが、それは他にも守るべきものが数多くある中で、全て捨て去ってでもたったひとつの正義を貫き通すんだという、勇気ある決断から生まれた単なる結果にしか過ぎない。

政府からの圧力もそうだが、政府関係者の親しい友人を裏切ることでもあり、親や夫が大切にした会社を潰す覚悟でもあり、それに関わる人やその家族全ての人生までも背負った中で、女性蔑視社会に後継者として経営者となったメリルストリープ演じるキャサリンが下した決断は、並大抵の重さではなかっただろう。

同日公開の「ウィンストン・チャーチル」でも見事に描かれていたが、計り知れないほどの重圧の中で、激しく苦しみ悩みながらも信念を持ち、言葉という武器で切り拓いた未来はどれだけ多くの人々を救ったことか。

今という瞬間を真剣に生きるということは未来をつくっていることなんだと、常々思う。