さよこ

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のさよこのレビュー・感想・評価

3.5
【ラスト45分にかけられた想い】

1955年から1975年。
ベトナム戦争は約20年かけてようやく収束を迎えた。この歴史と当時のアメリカの世論を分かってないと、この映画は楽しめない。

お恥ずかしいことに、自分は歴史について全然分かってなくて(最初にえらそうに語ってますけど鑑賞後にベトナム戦争について調べました)、ラスト45分で「あ、まだ戦争中だったんだ」てようやく理解。なぜかというと劇中のみんなオシャレに着飾って、パーティして、戦争してる感じが全然しなかったから。勝手に戦争後の話だと思ってたから。

こういう歴史モノって、大体オープニングは時代背景(「アルゴ」みたいにアニメーションとナレーション)から入るのがセオリーだと思うんだけど、今回はそういうのがない。

どんな始まりかというと、①戦争シーンを流す。②飛行機でお偉いさんたちが喋る。③編集長の私生活が始まる。いやいやぃゃ…自分のように疎い人にはとても不親切(´・ω・`)

登場人物も多すぎて、会話に出てくる人物が誰だっけ状態(´・ω・`)登場人物が多い映画なら、登場シーンはインパクト持たせて印象づけてほしいよぉ(´・ω・`)

最初の1時間は、結構退屈。起こった出来事を記録のように細切れに見せられてる感覚。そんなに人物描写もないし、生い立ちも言わないし、仕事にかける想いも、会社と会社の関係性も分からない。

しばらくあとから「あぁ、そういう背景があったのね」「あぁ、だからそういう行動とったのね」て分かるんだけど、種明かしするまでの時間が長すぎて「どういうこと?」てもやもやしながら観る(しかも、もやもやするシーンがいくつも同時平行)から、状況が理解できずに置いてけぼり。

とはいえ、ラスト45分にすべてが明らかになり、要所に当時のニュース映像も流れるし、その辺は面白かった。社長の成長も著しかった。

*
以下、残念だったところ。

トム・ハンクス演じる編集長と、メリル・ストリープ演じる新聞会社の経営者。どちらも迫力があって良かったんだけど、一方で二人ともに焦点があたってるからイマイチ人生を深堀りできていない。社長なのに弱々しい感じが前半1時間は馴染まなかった(これには理由かあるんだけどね。もっと先に教えてほしかった)し、編集長があれほど情熱的に仕事に精を出すにももっと強い動機を教えて欲しかった。

ネタバレになりそうなので詳細省くとして、各新聞をテーブルに並べるシーン。次々に映し出される新聞一面を飾る見出し。見出しを見て驚いたような感動したような表情をする女性。…え、最後まで一面のタイトル訳してくれないやん(´・ω・`)まぢか。てなった。その女性と同じ気持ちを味わいたいし、ここが盛り上がりどころなのに、英字を訳してくれないから、感情をシンクロできずに置いてけぼりを食らった(´・ω・`)英語勉強しよ…

内容が自分には難しくて、前情報をたくさん仕入れてから見たほうが良いかもです。観賞中は7割、こんな顔(´・ω・`)してました。
さよこ

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