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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のmaverickのレビュー・感想・評価

4.5
トム・ハンクス、メリル・ストリープ共演。監督スティーブン・スピルバーグ。これだけでも映画好きなら観たいと思わせるに十分。当たり前だが内容も素晴らしかった。スピルバーグは『レディ・プレイヤー1』と本作を立て続けに製作している。本人いわく、脚本を読んだらすぐにでも撮りたくなったとのこと。アメリカという国は政府が汚いことを隠蔽している、そんなことは許せない。というような映画に思えるが、下手をすれば全て失うリスクを恐れず、ジャーナリズム精神で勇気を持って行動した人々への賞賛を込めた物語になっている。一大スクープで新聞が売れるぞというようなネタではない。掲載すれば機密漏洩の罪で投獄、会社は破滅しかねないような情報。それでも命をかけて掲載に踏み切ったのは、国民は真実を知る権利があり、それを伝えるのが新聞の役目だという強い信念から。彼らは政府の秘密を暴露しているが、それはゴシップ記事などとは違う。ジャーナリストの真の役割を本作では教えられる。インターネットでゴシップ記事が蔓延し、伝えるべきことが希薄になっている今の時代にこそ必要な映画、スピルバーグはそう語っている。社会的作品で政治を知らないと難しいように思える作品だが、伝わってくることは至ってシンプル。勇気を持って行動した人々に心が動かされる。報道関係者でなくとも必見の映画だ。スピルバーグいまだ衰えず。素晴らしかった!
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