ニクガタナ

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のニクガタナのレビュー・感想・評価

3.6
ニクソン政権下、ベトナム戦争真っ只中。優勢と偽り派兵を繰り返していたその戦況が実は泥沼化していることを政府が何年も前に把握していた事実。それが明確となる極秘書類公表を巡るワシントンポスト紙の葛藤を描いたサスペンスフルな実話。アメリカ政府対報道の自由を描く筋は易しく、法に触れるギリギリの状況でスクープを載せるかどうかの社内判断が見どころ。むやみに盛り上げないスピルバーグ余裕の演出。メリル・ストリープが夫の死を契機に祭り上げられちゃった最高責任者を好演。トム・ハンクスはまたほぼしかめ面だが安心の芝居。二人以外の役者は誰も知らず。71年当時の美術再現が完璧で衣装も流石。眼鏡男性率高い活気ある新聞社の作り込みのなんとリアルなこと。ホワイトハウスの大統領執務室を盗み撮りしたような窓越しの怒れるニクソンが滑稽でニクい演出。
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