kekq

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のkekqのレビュー・感想・評価

3.0
なんだろうこの気の抜けた感じは。

1971年、ベトナム戦争の長期化により国民感情が複雑化していくなか、複数の大統領が関与した最高機密文書を二大新聞社が入手。国家の威信と報道の自由を天秤にかけたギリギリの駆け引きが繰り広げられていく。
世界的に有名な新聞社どうしの特ダネ争い、惰性で腐敗していく政府批判と民主主義の再認識、そして成り行きでトップに立ったカリスマ性に欠ける女性社主の苦悩と成長など、おもしろ要素はもりもりに盛りすぎなほど。

しかし「大変だ!どうしよう!?」となった問題が唐突に解決し、「このままだと大変なことになるぞ!」がそれほど大変なことにならず、「バラバラの4000ページを10時間で読むぞ!」がなんとなく読めてしまう…。
それが史実なのだからしょうがないといえばそれまでだが、あたかもそこで生きているような研ぎ澄まされたリアリティは無く、演出はとことん映画的。ラストもまぁ、そうだろうね、と言う感じ。
主演二人の演技の厚みや演出の説得力は死ぬほど高く、活版印刷のアップや高く伸びた輪転機が稼働するシーンはとても美しい。

これだけ濃厚な内容を120分にまとめたことは功績だが、圧縮率が高すぎて全体的に大味になってしまった印象。スピーディでテンポも良くなるはずなのに、絵面の地味さと状況説明のセリフの多さからかまあまあ眠かったり…。

どうしてこんな風に感じたのかなともいろいろ考えたけれど、そういえばスピルバーグ監督の社会派映画はけっこうこんな感じだったということを思い出した。