スナフキン

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のスナフキンのレビュー・感想・評価

4.1
ウォーターゲート事件などワシントンポストの評判を高めたキャサリン・グラハムと編集部が、ベトナム戦争の真実が記されたペンタゴン・ペーパーズの掲載をめぐって政府と闘う姿を描いた作品。

キャサリンに迫られた決断、それはなんて難しい決断だろう。
記者たちの報道機関としての熱い使命感と行動力、経営者としての責任、それぞれの立場での思いがある。結果うまくいったからいいものの、会社が潰れてしまう可能性も高かったわけで。
しかしそのギリギリの判断で、正しいことをする者が報われるストーリーには胸がすく思いがする。

キャサリンが急に経営者とならざるを得なくなり、男社会の中で自信が持てず悩むところから、立派なリーダーとなっていく成長も描かれていて、今作、スピルバーグがキャサリンに焦点を当てて作ろうと意図したみたいだけどそれがよかった。彼女の温かい人柄と新聞を愛する気持ちがよく伝わってくる。編集部のデスク?のベンの奥さんがキャサリンの決断を讃えるシーンにグッとくる。

メリル・ストリープとトム・ハンクスがとんでもなく上手い演技で、そりゃもうひれ伏したくなるほど。

アメリカだけでなく、日本においても、いまの時代だったら、同じ状況の中で果たしてどうなるのだろう。メディアはどう動くのかな。

報道が仕えるべきは国民だ。統治者ではないー判決文のこの言葉が重く響く。