マタロー

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のマタローのレビュー・感想・評価

4.1
ペンタゴン・ペーパーをNYTに続いてスクープしたワシントンポストの実話。
テーマは報道の自由と矜持。

ペンタゴンペーパーを入手してから記事公開に至るまでのプロセスが緊張感あって良かった。
メリル・ストリープ演じる社主のキャサリンが保身や友人との関係と、記者の熱意や報道の責任の間で揺れ動いて、ついに決断する瞬間は素晴らしい。
最後がウォーターゲート事件の導入で終わるのも面白かった。「大統領の陰謀」への導入といった感じ。

脚本を読んだスピルバーグ監督が寝かせる作品じゃないとして「レディプレイヤー1」と同時に進行していったのがすごい。それでちゃんとエンターテイメントの文脈で社会派作品を作れるってのがまたすごい。

こういう他国の優れた社会派作品を見ると日本の実情に失望してしまう。
報道は裏取り出来ていないトバシ記事を出してしまったり、土壇場になるとトーンダウンしてしまう。
映画界も社会派作品はあるけれど、エンターテイメントとしてこういう作品を出せていないのが非常に残念。
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