Shintaro

蜘蛛の巣を払う女のShintaroのレビュー・感想・評価

蜘蛛の巣を払う女(2018年製作の映画)
3.0
Fuck you you fucking fuck!!!

“怒り” “憎しみ” が足りない、、、



厨二病ですね、
でも、分かって欲しい陰気なのがカッコいいと思えるこの気持ち。
自己満の長文失礼しまっせ、、、




8年近く経ってからスクリーンに戻ってきた『ドラゴンタトゥー』。
原作未読の戯言ですが、ハリウッド版一作目の虜になった身からすると、、、もうなんと言っていいやら。

・話がやたら大規模やな
・クレアフォイ!お前は眉毛剃れ!
・デブ誰!?フィンチャー版にちょっとだけいたあいつ?
・ミカエル…?あっ いたの??
・NASAの元ハッカーの異常なアメリカンスナイパーぶり


単体作品として観たのなら、きっとそこそこ満足して、帰宅までの道のりを満喫出来たんですけどね…。
もう既に、一作目を観てしまってるんで、比べない訳ないやろ?
『ダークナイト』は面白くて『ライジング』はねーなって感覚。
暗い性格の人間には、寄り添えない映画でした。

ルーニーマーラをはじめ、異常に作り込まれたヴィジュアルに興奮し、ショックを受けファンになった人も多いはず。
実際、前作がめちゃくちゃ好きって方はレビュー見てても多いし。

ちゃんと当てるべき焦点に目を向け『蜘蛛の巣を祓う女』を見れば楽しめます。
読んでないのに適当ですが、
脚色してるとは言え、原作のスピーディでエキセントリック、アクション感を存分に再現しつつイメージを崩さないまとめ方とかは好きです。

…ただそれはそれ。
原作より、フィンチャー版の世界観が好きな人間からしたら全く的外れな演出や展開で間延びしまくりでした。

OPとかふざけてんのか!?
フィンチャーのパクリみたいなCGを1分ちょいだけで、bgmは全く合ってないというダサさ。ここで萎えたのは痛かったです。
前作の様に トレントレズナーによる、歪でダークでいてメロディアスなbgmは全く無くなり、場面が退屈なのに余計拍車をかけてました。

衣装はかなりマッチしてた方だと思います。
スェーデン版の欠点が個人的には服装だったので、そこはフィンチャー版のトリッシュサマービルのセンスを引き継いでいて安心しました。
リズベットの服装は彼女の自尊心を体現するものなので、記号的では駄目なんです。

クレアフォイさんは、かなり研究した上で役に臨んだはずですが、ルーニーマーラの役への本気度と比べると劣って見えてしまう。
歩き方や目つきもなんか普通。
本人的にも一番嫌いな言われ方でしょうけど、、
作り込みがイマイチで、本来かなりエキセントリックなキャラが超薄味になってました。

弱きを助け強きを挫く様なキャラでなくて、自分を傷付けるから全身全霊で反撃する訳で子供の様な本能と、鋭い知性が入り混じる本当に複雑なキャラなのに、随分真っ直ぐな性格になったなと思いました。

フィンチャー版でうるさい程強調されていた、誰かが誰かを憎むという構造。
異様なフェチズムなど、暗く人間的な部分が凄く抽出されていて、良い悪いは別に、ブレが無かったです。
とても内面的な話が、今作は変に大衆向けな表面的な演出に終始していて残念でした。
当然、リズベットの過去との向き合い方も薄味に終わるという結果に。

自己満の長い文句になりました。

デヴィッドフィンチャーが戻らない限りは、
スパイ映画の色を濃厚にして 振り切った作品にしていって欲しいです。
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