のるど

蜘蛛の巣を払う女ののるどのネタバレレビュー・内容・結末

蜘蛛の巣を払う女(2018年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

前作の大ファンです。といっても本国版映画や原作には触れていません。
とにかくフィンチャーの前作だけに惚れ込んだ人間です。
思った以上に評判が良かったので鑑賞しました。
以下、残念ながら不満の垂れ流しですので、面白かった方やこれから楽しみにしてる方は読まないことをお勧めします。

まず、何よりこのシリーズで一番大事なリスベット。ルーニー・マーラのリスベットを好きになりすぎていたからか、ダメでした。やっぱりあの病的で強くて、残酷だけど少しだけ愛のあるカッコいいリスベットが好きでした。重ねてはいけないと肝に命じながらもルーニー・マーラだったら…と何度も思ってしまった。クレア・フォイが良くない訳ではなくて、彼女なりのリスベットなのだとは思うけど、自分のなかのリスベットが前作で完成されてしまっていたので、致し方ないかもしれません。
ただ、頂けないのはストーリー上(個として)全然強くないこと。
相手が凶悪な組織だから結果的に仕方ないのかもしれないけど、やられてばっかり。
クールでボーイッシュだけど愛情を持ってるって程度のキャラクター性になっていたと思います。

物語としても一筋縄だしツッコミ所も多かったです。
前作のようなヒリヒリした感じが無くてとてももの足りず、ミステリー要素もほとんどなしの、ヒーローものか?というような話。
姉妹のエピソードも最終的には陳腐に感じてしまった。

敵との間で互いに何度もトドメをさせる場面が何度かあるのに何故かトドメささないし、遠隔で狙う味方も謎に大事な敵を後回しにして結局逃がしてしまうし。
そもそも、システム系の人なのに銃がめっちゃ上手いのも謎。(どこかで描写を見逃してたのかもしれないですが)

そしてミカエル。
とんでもなく頼りない感じになっていて、ただ足を引っ張ってただけ。なぜリスベットが惚れたのか思い出せないレベル。

テンポよく最後まで見ることはできたものの、残念ながら悪い意味で予想通りの内容でした。
こんな悪評書きたくないけど、残念なんです。なんだか悔しい。

原作を知らない以上、もしかしたらフィンチャーの描いたリスベットとミカエルが脚色されすぎていただけかもしれません。
単独作品としては佳作だと思いますが、あくまで「ドラゴン・タトゥー」の続編と考えてしまうと、厳しいものがあると感じました。

他の方々の評判は悪くないみたいなので一般的には成功なのかもしれませんが、同じスタッフとキャストで次が作られたら自分は観ないと思います。
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