地獄愛の作品情報・感想・評価 - 10ページ目

地獄愛2014年製作の映画)

Alleluia

上映日:2017年07月01日

製作国:

上映時間:93分

3.4

あらすじ

シングルマザーのグロリアは、出会い系サイトを通じてミシェルという男に出会う。ミシェルは寂しい女性を夢中にさせ、女性の性的欲求を満たすことで生計を立てる結婚詐欺師であった。グロリアはミシェルに出会った途端深い恋に落ち、ミシェルが結婚詐欺師だと知ってもその恋は冷めることはなく、娘を放棄するほどミシェルを付け回し、二度と自分から離れないように強要する。最初はそんなグロリアを恐れていたミシェルも、いつし…

シングルマザーのグロリアは、出会い系サイトを通じてミシェルという男に出会う。ミシェルは寂しい女性を夢中にさせ、女性の性的欲求を満たすことで生計を立てる結婚詐欺師であった。グロリアはミシェルに出会った途端深い恋に落ち、ミシェルが結婚詐欺師だと知ってもその恋は冷めることはなく、娘を放棄するほどミシェルを付け回し、二度と自分から離れないように強要する。最初はそんなグロリアを恐れていたミシェルも、いつしかその異常な愛を心地よく感じ、兄弟と偽り共に結婚詐欺をする道を選ぶ。 しかしそんな二人の歪んだ愛は、やがて未亡人を次々と殺す狂気へと変わっていく―。

「地獄愛」に投稿された感想・評価

tuttle

tuttleの感想・評価

5.0
ファブリス・ドゥ・ヴェルツといえば目!眼!め!の演出。
深淵を映す代わりに深淵からこちらを覗き込む眼。
前作から10年経ち一層濃厚さを増した作風でこちらを見返し、余白を許さない99%の画面掌握率でこの世界の中心であるカップル、グロリアとミシェルを映す。

ジゴロであることが知られてしまったミシェルが語るのは、慰み者としてしか母に愛されなかった幼少期。
経験だけで学もなく、ただ女を喜ばせる方法に長けたミシェルは「君は?」と問う。グロリアは「私は夫と別れた」それだけ答える。
ここで大切なのが、ミシェルは母親との近親相姦に対し否定的ではないこと。
性的虐待を受けていた自覚が無いことを「捨てられた」という表現や、性的嗜好を映したワンシーンが物語り、むしろ性行為の中で母性からくる愛情を一身に受けたかったきらいさえある。
ミシェルと母の関係は彼の人生を決定付けるものであり、最期の恋人との関係の原型でもある。
自分だけを選び、激しく身体を求め、ありのままを受け入れ、支配欲でその身を掴んで離さないグロリアは、母親と対極かつ同一の存在であり、おそらく幼いミシェルの思い描いた理想。
しかし、ミシェルにとって母親は母親であり恋人では無い。

一方グロリアは、夫との思い出の写真をメチャクチャに傷つけるも手放すことはできない点を見ても、慎ましやかな態度で深い愛情と憎悪を内に秘めた情熱的な女。
過去を明言しないグロリアは、何が女をそこまでさせるのか、爆発するように自分が注いだ愛と同等あるいはそれ以上の深い愛をミシェルに求めていく。

恋愛感情以上の運命としか表現しようのない強い繋がりで2人は共依存し、社会から孤立することで互いを確かめ合う。
無限の愛という名のもと支配し合う2人は、おそらく全く違う景色を見ている。
一方は母性を求め、もう一方は対等な愛を求めているから。
どこまで行っても全てを手に入れることは出来ず、それぞれの孤独から抜け出せない地獄のなかで、無限の愛に酔いながら到達する幕引きは究極の愛と支配のかたち。最高でした。

ベルギー闇の三部作、最後の作品は『Adoration(崇拝)』になる予定で今夏撮影開始だそうなので公開は来年ですかね。だったらいいな。
ファブリス・ドゥ・ヴェルツの最新作チャドウィック・ボーズマン主演『キングのメッセージ』はNetflixで8月上旬配信予定なので全人類みて…
Wonkavator

Wonkavatorの感想・評価

3.4
実話ベースの殺人映画

あ!
アルモドヴァル作品で見る顔だ!!と思って居たらやっぱりそうでした。


各エピソードともあまり代わり映えしない展開で淡々と進む。

日本だと園子温がやりそうな手口だが、映画的な質感は、こちらの方が上手。

しかし衝撃的な感じは園に軍配。

なんだかあっさりと終わってしまい、少々物足りなさを感じたまま劇場を後にすることに。
saiha

saihaの感想・評価

-
主人公が二人とも不愉快でとても良かった。急なミュージカルも急なキャンプファイヤーも本編のノリに合ってた。画面が印象的なシーンが多い分、ちょくちょく入ってくるモザイクが目障りだった。
cocosora

cocosoraの感想・評価

3.7
あの衝撃作『変態村』から10年。ファブリス・ドゥ・ヴェルツ作品でベルギーの闇3部作の第2弾って聞けば、そりゃ観ます。実在した連続殺人鬼カップル、レイ&マーサをモデルにした狂気の愛の物語。
いやぁ、期待を裏切らない変態で狂気の純愛映画でした。あの荒い、ざらついた16ミリフィルムの画質がまたいい…。カメラワーク、目だけのアップとか。
私は何故かボニー&クライド系な犯罪犯しながら逃避行するカップルものが好きなんだよね(『トゥルー・ロマンス』とかさ)。
罪を重ねる毎に愛が深まる、美化はしないがある意味、究極な愛のかたち。まぁ究極の共依存でもあるんだけどね。狂気のミュージカル映画でもありました。ベルギーの闇3部作の3作目を楽しみにしています。
1940年代に起きた実際の事件を元にしているらしく、これまで何度もこの事件を題材とした映画が作られているようだ。
シリアルキラーというよりは、グロリアの嫉妬の塊のような映画だった。
もう少しのところで「またやりやがったw」という、完全にメンがヘラってるのだけど、突き抜けてて逆に楽しめた。

男もクズいが、女もそれ以上に相当な変人である上、商売のための仕事もしなければならない。
どう考えても無計画過ぎるし、いざハプニングがあると男も「止めろよw!」と突っ込みたくなるのもまた楽しい。
グロリアをなだめるシーンと、ミュージカルは笑った。

意図的なのだろうけど、アップが多すぎて見辛いです。
でもそれ以上に嫌いじゃない。
寧ろ好き。
面白かったです。
shinsaku

shinsakuの感想・評価

3.8
スタイリッシュな映像で今風。
気色悪いイメージショットは脳汁が出るくらいテンションが上がる。
ストーリー的にはババアの件がだるかったし、基本的にはマッチポンプやんけ、これっていうね。
主人公のあたま痛いで逃げ切る感じとかなんなん笑
結構笑ったっていうか、笑いどころが満載。

1940年代の事件をどのくらい脚色してるんだろう?
設定は1980年代とかかな?
いや、ハンフリーボガード出てるしな。

全体を通して悪趣味だけど大好きな映画。
アルモドバル作品常連の女優の芝居も良いし。
狂気じみているんだけど、ときどき滑稽にみえてしまう。等の本人たちは真剣だと思うのだけど。

アフリカの女王のハンフリー・ボガートの真似をして女をなだめるシーンは笑った。しかも何回もあやす。いや、いい歳したおばさんがあんなんで泣きやまねーだろとツッコミを入れたくなる。
主人公がカメラの方を見つめながら歌い終わると急にノコギリで死体を解体し始めるシーンが良かった。
メンヘラ極めた女、グロリアの物語。結婚詐欺師の彼氏が他の女とのセックスを始めると嫉妬のあまり雄叫びを上げながら女を撲殺したり、絞殺したりするシーンは少し滑稽にも感じたが、愛の行き着く先は狂気だと感じた。
ぽよ

ぽよの感想・評価

4.0
男と女の詰まる所、を見た気がした。

女が叫ぶ、男は狼狽える、女は騙され、男は騙すが、女はそれさえ知っている。甘んじて受け入れる。乗り合わせた船は転覆しつつも、海底で歪なバランスを保ちながら終焉を迎える。醜く美しい男女の鑑。

女の突き抜けた激情があまりにも滑稽で時々吹き出してしまう場面が多々あったけど、まったく理解できなくもないのは、わたしが女として生を受けたからなのだろうか。

フランス映画で一瞬も眠くならなかったの初めてかもしれないなぁ
まさかの芸術映画
でもねぇ、こういう人(女性の方)いるんだよねぇ。共依存するよねぇ。