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交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション1のmotoietchikaのレビュー・感想・評価

3.3
「結局何も分からない総集編」だったのでびっくりした。10年前に観た交響詩篇エウレカセブンの断片的な記憶はあって、レントンとエウレカの天使的な邂逅、ゲッコー号で直面する自分の無力、チャールズさんとレイちゃんの幸福な家族関係(でもそこにはひた隠しされた現実があって)……といったものがハイエボ1でも結局ぜんぜんまとまりがなく断片のまま呈示されていてびっくりした。

私の記憶の映像化作品か?これは。しかもぜんぜんうまくない。

って感じで、別にディスるというほどではないような。ただ、TVシリーズの神回かいつまんで見返した方が充実した時間を過ごせる気はする。さいきん見返したTVシリーズの1話がパーフェクトすぎて泣いちゃいますよ。
フリクリ新作にはぶちキレ要素しかなかったが……

『エウレカセブン』はレントンがコミュニティに依存して憧れと現実のギャップに直面する、そうして初めて「自分が選び取るべき居場所はここではない」と気付いてまた旅立つ、というプロットを飽きるほど繰り返して最後にはやっぱりエウレカのところへと還る(そしてエウレカと家族になる!)、という物語だったのだなと思う。
だから必然的に、最初の旅立ちを描く序盤と、長い道のりの末辿り着く終盤はエモい。中盤がダレるのは構造的な欠陥なのだと思う。

序盤はちょっとワクワクしたし、ラストのビームス夫妻のもとで一度は家族になったレントンがそこを旅立つラストは有無を言わさずアガる。
「これからオレとキミの、あたらしい月曜日が始まる!」
で締めるラスト最高じゃない?
って一瞬思うけど、TVシリーズ第一話『ブルーマンデー』のほうが圧倒的によくできているという偉大な現実に難儀する。
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