クドゥー

EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューションのクドゥーのレビュー・感想・評価

4.5
『取り合った手を離し、終わる少女の始まり』

ボーイミーツガールが人類の命運を握るテレビシリーズ「交響詩篇エウレカセブン」の劇場版は、かつて人類を破滅に導いた少女が自らと同じ力に選ばれた少女を守り抜く旅の果てに、シン・エヴァを超える物語論の境地に至るリブートアニメ映画の最高傑作。

スタァライトとハサウェイを経験してなお奇跡の一瞬がとどまる事を知らないカットの連続に痺れ、エウレカとは思えない程に強い女の美しいロードムービーテイストの虜になっても、最終的にはお前が始めた物語だろうと選ばれる唯一解が尖っていて僕には唯愛おしい。

多くの同年代男子の人生を狂わせた少女が女性となったママみに頭がめちゃくちゃになりそうで、それでも手を取り合った親友を変わらない呼び名で呼ぶ尊さによって脳が回復するが、名塚佳織さんの作中時間と声優人生が昇華して生まれた芝居は一生ものだ。



鑑賞記録
横浜ブルク13シアター11
→アニメーションにシネマサウンドの文脈をもたらした岩浪一強時代に、カオスをカオスとして享受することを赦された音響の暴力。観念をそのまま音にしてぶつけてくるような劇伴が最高。メインスクリーンを所望する。
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