珈琲淹男

ラプラスの魔女の珈琲淹男のネタバレレビュー・内容・結末

ラプラスの魔女(2018年製作の映画)
1.1

このレビューはネタバレを含みます

これは駄作。本当に東野圭吾原作か?もし原作に忠実なら「天下の東野圭吾ついにネタ切れ」って感じするし、映画用に脚色かなり入れてるなら脚本家と監督はかなりダメ。
と思ったら三池崇史か。何本かしか見たこと無いけど、フィルモグラフィー見る限り異常に作品数多いし、セルアウトしちゃった”商業映画監督”って印象。この人の作品で4.0以上つけるようなのは個人的に無いし。

駄作ポイント列挙
・ラプラスの悪魔になれる手術・・・さすがにトンデモ設定すぎて、でもこれがこの映画のある意味コアで、無視することもできず全部を台無しに。仮に感覚が異常に発達して大気の動きとかを”感じられる”ようになったとして、さらにそれら複雑な条件を結びつけて”計算できる”ようになったとしても、前提の自然科学に関する知識は確実に必要でしょうに。小学生にこの手術しても未来予測できるようになるの?って話で。

・櫻井くん(教授)が巻き込まれる必然性・・・「教授じゃないとダメなんです」的なことを広瀬すずが言ってたように思うが、教授の地球化学知識が発揮される瞬間は遂に訪れず。運転免許があることと、紙飛行機飛ばすクセが役に立ったくらい。

・トヨエツの犯行動機・・・「最高の映画作りたい」だけじゃさすがにキツイでしょう。じゃなんで二人も子供作った?とかも思うし。あと足悪くて杖ついてたの何?サトエリ担いでたけど?説明あったっけ?あの廃墟も唐突すぎて謎謎謎。

・福士蒼汰の演技力・・・終盤の長尺の独白シーン、ごめんやけど、ほとんど何言ってるか入ってこなかった。説明がましい演出っていう制作側の腕不足もあるけど、あまりにも福士蒼汰の演技力が追いついてないって。

・広瀬すずの無駄遣い・・・監督、この俳優さんの引き立て方が全然分かってない気がした。辛い過去を背負ってることにすりゃいんでしょ?っていう投げやりなキャラクター作り。ついでにリリー・フランキーも無駄遣いね。

・逃走中のハンターみたいな追っ手・・・現実感なさ過ぎて全然怖くない。ホテルマンの人も、全く役が板についてない感あったなあ。


などなど、とにかくこれは監督の力量不足が一番の原因となって生み出された空前の駄作ですな。役者たちが損する感じでかわいそう。興行成績はどうだったのだろう?もしこれがそこそこヒットしてたなら、まさに電通はじめ広告屋の罪深い業って感じもするし、全国上映する商業邦画とそれに足を運ぶ観客のレベルってこんなもんかいっていう失望もある。
(しかし、突っ込みどころの多い駄作の方がレビューの筆が走る自分ってのも、それはそれで愚か。。)
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