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ラプラスの魔女のtaruponのレビュー・感想・評価

ラプラスの魔女(2018年製作の映画)
4.0
東野圭吾さん原作作品。(原作は読んでません)
今回濃いキャラが多く、まず特筆すべきは豊川悦司さんの怪演。このところ毎度癖のある役どころが多いけれど、今回もまた。とにかく持っていかれる。そして、主役の1人というべきが、自然現象。生でとったのもありVFXもありだと思うけれど、竜巻、ダウンバースト、月虹、そして雪山の場面等等、、自然の力のパワーを実感する。
広瀬すずちゃん、福士君の2人も、目力が強く、異能を操り、復讐やトラウマに翻弄される、現実からはちょっと超越した役柄を印象的に演じていた。特に福士君は、私的な印象ではちょっとイケメン役ばかりで定型化されてた感があったので(完全なイメージなので、もし違っていたらごめんなさい)、今回の役はパンフレットにもあったけれど、役幅を広げられ、かつかっこよさも堪能できるよい役だったのではないかと思う。
そしてこの豊川さん、すずちゃん、福士君達が演じる異常な能力や狂気に相対するのが、櫻井くん演じる青江教授。異常に相対する普通を象徴する存在で、そこにテーマの1つもあるわけだけれど、すごくナチュラルで素朴な感じがバランスとしてよかった。決してイケメン設定でなく、ちょっと学者らしい専門バカな感じ、でも常識人で、情もあり、立ち姿に30代のおっさん感も。ここに普通な青江教授がいて物語の構造を下支えしていることで、狂気な役柄が自由に踊れている感じがした。

クラッシックを多用した音楽、最後のアラン・ウォーカーの主題歌も物語の世界観に合っていて、良かったと思う。
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