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ラプラスの魔女の3104Arataのレビュー・感想・評価

ラプラスの魔女(2018年製作の映画)
3.0
【サスペンス×哲学の要素が半々に入った作品】
・小説は読んでいません。ので、比較はできませんが、一番最初のシーンで竜巻にお母さんが巻き込まれて行ってしまうシーンがとても違和感を感じてしまいました。これは小説だと違和感を感じないものなのかなぁと思いましたが。
・話の大筋は、殺人犯探し、ですが、その中で特異な能力を持つ人物やそれを生み出した人物の葛藤や苦しみを中心に描いたお話。そこに、甘粕(豊川悦司)という狂人を置くことでサスペンス的要素が入り込むことで面白さが増しています。ちなみに、特殊な能力とは、物理学を極めたものは万物の未来を全て予測することが可能になる、という力です。その能力を軸に哲学的なテーマを投げかける言葉がいくつかある面白さもありました。例えば、その能力を持つ人間を造り出したリリーフランキーさんが「もしかしたら彼らは現代社会の行く末や人間の未来までもがぼんやりとみえているかもしれませんね。ですが、未来がわかないからこそ、人は夢を持てる。私は彼らからそういう人生を奪った」という台詞。例えば、その能力を持つ広瀬すずさんが「もし、私たちに未来が見えているとしたら、知りたい?」という台詞。それに対して、桜井さんが「やめときます」と答えるシーン。など。もちろん、全てがタラレバの話なので簡単に共感はできませんが、想像することで哲学を楽しむことのできる作品だと思います。
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