Aria

ライフ・イットセルフ 未来に続く物語のAriaのレビュー・感想・評価

3.7
冒頭のタランティーノ風演出でダダ滑りだった数分間が幻だったんじゃないかと思う程、良い映画…!

もちろんそのダダ滑りもすぐ後に理由が明らかになって「なら仕方ないね!」ってなるから、臆せず見ていただきたい…。

1つの事件を軸に、様々な人の人生・愛・家族を章毎に分けたオムニバス形式で展開する作品。

人生を語り継ぐという言い方はこの映画のテーマに反するのかもしれないけれど、命が終わりを迎えても肉体が滅びても、その人の人生は誰かの人生の一部であり、また次の人生へと紡がれていく。

それがオリヴィアワイルドが言っていた信頼できない語り手だの主観だのの話に繋がるんだけど、考えだすと哲学のスパイラルに陥ります。

個人的な書きなぐりまとめで言うと

私たちは、自分の人生を語っているようで実はそうじゃない。自分の人生は実は自分だけではなく色々な人の人生と交わっていて、実は誰かの人生の語り部に過ぎない。

主観が入る以上、誰がヒーローで誰が悪役かは分からない。それぞれの人生によって見え方は変わるし、語る人によってもまた変わる。命尽きても色々な人の人生の一部となり生き続けていく。

劇中は哲学的な言い回しで難しく見せたり、ボブディランの詩をメタ的に引用していたけれど、テーマ自体はとても普遍的だしすんなりと心に入ってくる。

本国での評価は奮わなかったみたいだけど、素敵な見方ができる映画だなと思う。

そして!!アントニオバンデラスお久しぶり!

彼の役所、最初と最後の印象ががらっと変わってとっても、とっても良かった…。
スポンジボブとかB級とか出てないで、こういうのいっぱいやってほしい…めちゃくちゃ良い味出てた…