YACCO

ライフ・イットセルフ 未来に続く物語のYACCOのレビュー・感想・評価

3.5
「THIS IS US」のダン・フォーゲルマン監督・脚本の今作。
「THIS IS US」と同じように、周りの評判はすごぶる良いものの、自分としてはピタッとはまらなかった感じが否めない。最後、映画館では涙ぐみ、鼻をすする音がそこかしこから漏れ聞こえてくるなか、ひとりそれを感じていた。
何故だろう、脚本やら設定やら訴えてくるメッセージやらは好きなはずなのに、ちょっとはまり切れないところがある。「THIS IS US」もドラマを見ていてなるほど確かに面白いのだろうけれど、イマイチ自分自身がはまれない。もどかしさを感じてしまうほどのその何かの正体はわからないけれど、確かに感じるなにかがそこにあり、今作にもそれを感じてしまった。

しかし、良作といっても過言ではないだろうと、思う。
少なくとも「THIS IS US」が好きだった人は十分に楽しめるのではなかろうか。
以前、何かでサカナクションの山口くんがこんなようなことを言ってたように記憶している。
「聞いている人に何かひっかかる、おかしな部分がないと聞き続けてはもらえない」
正確にこういう言葉だったかどうか、記憶が定かではないのだが、映画を見ながらそのことを思い出していた。
この映画は冒頭から何かが変というか、何かが気になるのだ。
そのとっかかりが見ている側をこの映画から目を離すことを許さない。
そして、ある地点で明らかになる伏線の結果、この物語のメッセージが言葉で具現化される。
なんというか、それはとても普遍的なことで、わかっちゃいるけど、ここまで見てきたものの心をとらえる。

でも、なんだろう。
周りの人たちのように胸を熱くし、涙するまでは私の心に響かなかったのは。
もしかしたらこの映画で起こることがちょっと私の世界とはかけ離れていて、あまりシンパシーみたいなものを感じられなかったのかもしれない。
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