自分の命は1つでも、人生は
母や父や祖父や祖母の歩んできた
道の先に、今、わたしはここにいる。
五章に分かれたそれぞれの人生。
「幸せな時間」の長さは人それぞれ。
喜びだけじゃない。悲しみも含めて
共に歩んできた時間。
でも確かにそこにあったその時間は、
また受け継がれていく。
それぞれの形での「幸せな時間」として。
おじいちゃんとの乾杯からの
プハーが堪らなく好きだ。
21歳になろうともあの頃と変わらない。
こういうちょっとしたシーンの
魅せ方が凄く良かった。
『信頼できない語り手』が語る物語。
そうだとしても自然と涙が出てくる。
観ながら自身の祖母の顔も浮かんできた。
柔らかに、時に残酷に映し出す時間。
人生を語るのは自分。
幸せか決めるのも自分。
自分自身は細い糸だったとしても、
中島みゆきよろしく。
繋がり紡いでいく糸はやがて大きな
人生という名の布になるのだ。
その布が硬いか、柔らかいか、
質感はまたそれぞれ違うのだろうな。