ワイカ

ライフ・イットセルフ 未来に続く物語のワイカのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

 これまた静かで優しく文学的で哲学的な映画。

 ニューヨークとバルセロナそれぞれで繰り広げられる悲しく切ない愛が、世代をまたいで交錯する物語。

 人生や愛は一世代で完結するわけでなく、何代にもわたって続いてるのだという、当たり前のことに気づかせてくれる作品。あまり考えたことのない両親や祖父母の人生についても思いを巡らせてしまいました。

 序盤に出てくる「信頼できない語り手」の文学論のおかげで、観てる間ずっと、何か仕掛けがあるんだろうなぁと思ってたら、最後になるほどというきれいな伏線回収。サミュエルLジャクソンは、このオチから目を逸らす役割だったのかな。

 終盤の運命の出会いは途中から読めちゃったけど、たぶんそれは制作側も織り込み済みだったのかと。最後になんとも言えない余韻が残る良い作品でした。

 ただ、前半のニューヨークのくだりは、余計な描写もあってちょっとくどかったかも。あまりややこしくせず、もう少しコンパクトにストレートにまとめてもよかった気が。

 あと、あの女の子のことや、最後の二人が出会ってからも、もう少し描いてほしかった。そもそも、あの悲劇はあの男の子のせいでもあるわけで、付き合ってるうちにその話になったら、二人の関係は続けられなくなるんじゃ。その辺は脚本にちょっと無理があると思いました。

 そんな不満はいくつかあるけど、きれいな良作でした。ボブ・ディランの曲についての話がたくさん出てくるので、彼のことが好きな人ならもっと楽しめるかも。