こまだこま

ライフ・イットセルフ 未来に続く物語のこまだこまのレビュー・感想・評価

3.8
家族の物語を通して、人生というものについて考えさせられる作品。5章立てのオムニバス形式の中でも、所々で章の繋がりが見えるところが面白かった。

特にスペインの章では、富豪のサチオーネが印象的なキャラクターだった。裕福な裏側にも孤独な面が隠れていたり、最初は悪人な役どころに見えてもとても善人だったり。時の経過と共に、その人自身も周りも変化し、見え方が変わっていく。サチオーネの、筆まめで"手書きの文字には真心が宿ると信じていた"という人柄も素敵だった。「孤独は人を弱くするらしい」という台詞も等身大だった。
彼より下の世代である、大学生のロドリゴの「運命の人ではないけど、楽しければよかった」という恋愛観も、とても若者らしいと思った。
そして、「肉体は滅びてもあなたの中で生きられる」というイザベルの台詞。死という運命に抗えない私たちにとって、希望となる考え方だと感じた。

"人生は私たちを驚かせ、屈服させるものだ" 本当にその通りである。何が起こるか分からないところが楽しみや面白さであると同時に不安要素でもある。屈服させるという強い言い方に勇気をもらった。


余談。パルプ・フィクションのコスプレと、ボブ・ディランの曲にテンションが上がった。