・なぜ今頃スパークスなのか？の謎が解けた。なるほど、この映画の原案や音楽を担当してるのね。最初と最後にもちゃっかり登場。
・カラックスについてはまるで知らないが、なんだか凄い監督さんらしいね。これから他の作品も観るとして、スパークス・ブラザーズのついでというか、勢いまかせに軽いノリで観たら、なかなかヘヴィ。なんとなく僕の嫌いな『ダンサー・イン・ザ・ダーク』に近いものを感じた。
・ミュージカルなのに爽快感がない。映画館だとさすがに音は良かったが、ドラマチックな構成というのがほとんどなく、ミュージカルに免疫がない人なら気にならないだろうが、ミュージカル好きの評価はどうなんだろう？
・スパークス兄弟の長年の夢だった映画音楽がようやく実現したわけだが、オペラティックな様式美をミニマルな反復に置き換えた彼らの美学は随所に散りばめられている。ロックオペラと言えなくもないが、方法論は真逆で、大団円への盛り上がりは無い。この感じなら、シェルブールの雨傘のようにフランス語だった方が合ったんじゃないだろうか？フランス人の監督の元で作られたのは、そういう向きがあったからに違いない。
・アダム・ドライバーの怪演はいい。
一瞬、高山善廣に見えた。
