このレビューはネタバレを含みます
SF気質なミュージカル?、良い意味で「なんやこれ」が止まらない。
ミュージカル映画はあまり得意ではないけど、これは最後まで嫌な気持ちにならずに鑑賞できた。ハッピーなミュージカルは苦手。ロックとオペラが良かったのかな。
どんなセリフでも、ミュージカルの歌詞になれば大衆化されるというか。リズムに乗せるために整えられたセリフの持つ、メッセージの濃さを感じた。特にヘンリーが収容されるシーンの大衆の人々のセリフなど、すごく棘のあるセリフをあんな大勢に言わせられるのってミュージカルならではだな〜と脱帽。勢いというか、THE世論って感じ。
ミュージカルとダークな話の想定外の調和に驚きつつ、Adam Driverの堕ちていく男性像のぴったり加減にこれまた感心。
アネットの操り人形の設定にもウォー!と脱帽。そういう扱いを受けるという意味でも、違和感なく(不気味さという意味ではなく)赤ちゃんに歌を歌わせる表現のためにも、人形を使うという選択肢...!これだけでもだいぶブラボー。
欲を言えば、アネットにちゃんと振られた後に独りでもっと絶望するヘンリーや、アンと指揮者の馴れ初めを観たかったな〜。