「スパークス・ブラザーズ」を観てからで良かった！
レオス・カラックスの新作ではあるけど、原案も音楽もスパークスだから、彼らの色がめちゃめちゃ出てる！知らないよりも知っている方が、楽曲の意図をより理解出来る気がする。
原案と監督の相性がすごく良かった。良かっただけに、観る人の評価が分かれてるんだと思うw
幸せから始まり、ヘンリーの利己的な人間性が加速するエンジンとなって、自分の手によって落ちていく様は、憎らしいよりも痛々しい。
ヘンリーの職業であるスタンダップ・コメディというのは、日本人にはあまり馴染みがないし、彼の芸風は全くもって好きになれなかったけど(笑)彼の自分中心な暴力性みたいなものは、とても分かりやすく表現されてたステージだった。
その対極として存在するのがアン。
多くの観客に愛され、澄んだ歌声は本当に美しい。
私はミュージカルって、音楽とセリフが行ったり来たりしてるように感じてしまい、そんなに得意じゃないけど、今作は音楽だからこその感情表現や展開方法が随所に見られて、完全にひとつのものとして感じることが出来た。
ひとつの事件のきっかけとなる、2人しか知らない2人の歌も、同じフレーズが繰り返されることで、事件の時にはすでに私たちの記憶にも刻まれていた。
普通のミュージカル映画だったら、私は多分「なんの曲だっけ…💦」ってなってたと思う(わりとよくある笑)
以外ネタバレになるので、観てない方はご注意を。⚠️
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登場からずっとマリオネットだったアネットが、生身の子供になった瞬間、「ああ、ヘンリーの人形だったアネットが自分の意思を持ったんだ」と視覚的に見せるというのは、ドキッとしたし新鮮な表現だった。
監督がCG嫌いだからこそ生まれた表現なのかもしれない。
マリオネットだから、ステージで飛ぶ演出があっても「子供を吊るなんて！」って言われることもないし(笑)
エンドロールの大行進で、各世代のアネット人形がスタッフに抱かれて並んで降りてくる様子は、なかなかにシュールでした…w
