サラリーマン岡崎

リバーズ・エッジのサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)
4.6
二階堂ふみが行定勲監督や吉沢亮を誘ったとというプロデュース作品。
行定作品らしくもあり、俳優たちがとてつもない力を出していた強烈な作品だった!

描かれるのは「生」と「死」に対する感覚。
自分も死体を見たいとは思わないけど、
グロテスクな映画とか非日常な動画とかを
ついついそそられて見てしまうのは
感覚が似てると思う。

登場人物たちほど孤独を感じているわけではないけど、
いろいろな情報が溢れ、便利な世の中になった今だからこそ、
何を頼りに生きていけばいいかわからないことはよくある。
平凡な毎日だけど、将来自分は何者になるのか今でも不安。

だからこそ、非日常的なものを求め、
例えば僕は映画を見る。
何かわからないけど、そこには今生きている現実にはないものがありそうだから。

それは甘えではあるけど、
そうやって生きなければ、
どうしようもないことってある。
人間弱いもん。

だから、登場人物たちは
死体や暴力、セックス、恋、そういう「今」から抜け出せる何かを求める。
映画の舞台である90年代から今も変わらないというのが少し悲しい。

悲しいけど、それは絶対変わらないんだと思う。
そういうものを求めるからこそ、
その求めるものから与える影響が、
他者に孤独を与え、
その人がまた別のものを求める。
それは永遠のサイクル。

それを「悪」として美徳を求めるのが大人の社会と、モデルをやる登場人物が語る。
だから、このティーン世代がそれを語る。

そういう求めるものを作りながらも、
何か希望が持たせられるものが作れられたらいいな、と思った。

また、何回か見たい。