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リバーズ・エッジのMasatakaのレビュー・感想・評価

リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)
4.5
岡崎京子の「リバーズ・エッジ」に多大な影響を受けてしまった僕は、この映画を観るのが怖かった。出来れば、映画化なんてしてほしくなかった。しかし、だからと言って、やっぱり、観ないわけにはいかない。ムズムズして過ごすのはいやだった。

「リバーズ・エッジ」は、社会学的な考察においても頻繁に言及される作品で、謂わば90年代を代表する漫画作品であり、かつ、90年代という時代の閉塞感を最も鮮烈に表した作品だ。その閉塞感は、終わりなき日常、というやつだ。

そして2018年、実写映画化したのが本作。90年代という時代がどうとか言うよりも、僕はこの作品それ自体が持つ力と普遍性に驚いた。今もなお街は悪疫のときにあり、短い永遠は終わっていない。平坦な戦場は今もあの頃から地続きで、これからも生き延びていかなければならない。なんつって。

おそらくまさに1994年前後くらいに生まれたであろう、若い俳優たちも良かった。特に主役の二人の俳優、若草さんと山田くんが原作そのまんまでとても良かった。吉川こずえちゃんは演技がアレだったけど、さすが雰囲気はあった(そしてCharaにそっくり)。

エンディング曲、オザケンの「アルペジオ」はわかりやすく岡崎京子へのメッセージソングになっていて、少しウルっときます。
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