山本

リバーズ・エッジの山本のレビュー・感想・評価

リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)
3.6
『ルポ 川崎』という本の中で原作が紹介されていて、ちょうど映画がやっているということを知り、見た。

自分が95年生まれのため90年代の空気感というのはよくわからない。たぶん今の高校生はこんな言動しないよなと思いながら見ていた。おそらく今の高校生が見ても「なにこれ」と思うか、あるいは芸術的な何かを感じてわかったふりをするか、どちらかだろう。

僕は時代背景とかは別として、歪んだ青春、爽やかじゃない青春の描写そのものに惹かれた。近所に死体があるという秘密の共有で親密になっていく関係って普通じゃないよな……でもそれがいい、というような。

しかし他方で、そういう感じ方が正しいわけじゃないんじゃないか、と思っている。原作は94年刊行。90年代に青春を過ごした人は、もっと違う感想をもつんじゃないか……と想像する。空気に触れていた人にしかわからない共通感覚。というものがあるんじゃないか。すごく直截な例を出すと、フリッパーズギターの曲とか。劇中で使われていたが、世代ではない(聴いたことはある)ので、どうも入り込めない……

ゲイとか過食症とかセックス依存とかわかりやすい生きづらさを抱える登場人物が多い一方で、二階堂ふみ演じる主人公のハルナはとりたてて後ろ暗いところはない。この対称性をどう捉えたらいいんだろう。そこらへんは原作を読んで考えたい。

はじめての渋谷HUMAXシネマで鑑賞。チケットを予約する際に電話番号を誤って入力してしまったため自動発券機でチケットを発行できなかったのだが、スタッフの方が快くチケットを発行してくださった。内装もこぎれいでよかった。渋谷にもこういう映画館があるんだね。
山本

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