高校生、恋愛、セックス、ドラッグ、マイノリティ、嫉妬、劣等感、不自由。
そういった設定の下で「生と死」のテーマを描き切っている。
死を感じることでしか生の手触りを掴めない山田。
食べ物を詰め込むことしか虚無感を埋められない吉川こずえ。
身体的な快楽でしか自己を確認できない観音崎やルミ。
そのどれもを「悲しい」という視線でしか見つめられないハルナを、吉川こずえはこう言う。
「あの人は大丈夫。あの人は何でも関係ないんだもん。」
ラスト、山田に生きている自分を肯定されたことでハルナは強く生を肯定する。原作の世界観は丁寧に落とし込まれていたと私は感じた。
ただ、二階堂ふみのインタビューだけはいただけなかった…。ここだけクランクイン直後に撮った?と思えるほど、本編のハルナとは別人格のようで白々しかった。