矢吹

リバーズ・エッジの矢吹のレビュー・感想・評価

リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)
3.5
川の向こう側の噂話と川のこちら側の現実。向こう側の未知。
現実離れした瞬間が見たい。この欲求は生と死の対比へと向かう。
現実とそれ以外。性と死。
外の世界が言うには、テレビが言うには、ここは、現実は、汚染されてるらしい。
経済主義と一つのリアル。と少しのスリル。
閉塞的な日常の中の鬱憤。
死体で勇気が湧く。
橋のうえならUFOも呼べる、今と未来の中間点、現実と非現実の中間点。川の岸なら現実も遠い。
言葉の愛と体の愛。
コミュニケーションとしての形。
全員に未来がなさすぎる。
そういう時代性と若者たちはまさしく岡崎京子さんって感じがします。

どちらかにするならば、これといって映画で見る必要はない、みなさん、漫画で見てくれって思いましたね。
岡崎京子さんの絵のタッチって偉大。あの世界でこその、この話。
基本的には原作主義者ではないんですけど、今回は普通にそう思いました。
そこですごいのはやっぱり吉沢亮。山田のクオリティ高すぎ。そのまんま。
それと田島さんのウザさが半端なく出てた。空っぽの女です。嫌いです。すごく嫌いになったから、森川葵がうますぎた。
それも伝えたいから、漫画を見てくれ。
レビューとしてはほとんど内容についてになりますね。そうなるとマジで漫画で十分なんですよ。
違うのはほぼ、インタビュー形式だけ。
そして、質問されてないことでも話し続ける田島。
「生きて来てよかったことはない」
その辺はすごい良かったけど。
インタビューって別に本音ではない。気がする。心理描写として。形式としては独白の方が好みかもしれない。田島みたいな、会話の方でしか出ない人間性もあるけど。
ハルナに関しては頭の中とか、独白とかが見たかった。
なんやかんや、普通にインタビュー演出は映画版ならではの面白さとしては個人的にプラスです。

川釣りから始まる噂話。
実態は何もない。
ハルナにはなんも関係ない。
矢吹

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