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リバーズ・エッジのYACCOのレビュー・感想・評価

リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)
3.5
映画公開時気になっていたものの、見逃していた作品。
行定 勲監督、岡崎京子原作、そして今思えば期待大の若手役者を揃えて、鬱屈した青春を描く。最後に流れる小沢健二の「アルペジオ」はこの映画の曲とは知らずに聞いていたが、こう聞くとなるほど説得力があった。

この原作は恐らく現代を描いたものではないのだろうけれど、たぶんいつの時代にもこんな若者は一定数いるのかもしれない。それをくみ上げ描く岡崎京子。この人は一体どんなものを見て日々を過ごしていたのだろう。それを、二階堂ふみや吉沢亮といった若手を起用し映像で魅せる行定 勲監督。正直なところ、積極的に好んでこの監督の映画を見るほうではなかったけれど、昔見た「GO」を思い出した。あれから18年(?)経って描く高校生の姿は根っこにあるものはかわらない気がした。自分とは、生きるとは、アイデンティティの喪失とでもいおうか。どこか青臭いテーマだけれど、ある意味普遍的なテーマなのだと思い知らされた。

ただし、私のほうはしっかりとオトナになってしまったためか、見る視点は変わってしまったようにも思う。どこか俯瞰してこの映画をみている自分がいた。
やはり、その時そのタイミングで見るから感じることもあるのだろうなと、そんなことを感じてしまった今作だった。
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