つぐみ

リバーズ・エッジのつぐみのレビュー・感想・評価

リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)
3.0
昨日の今日で行定さん作品を。

岡崎京子リアタイ世代ではなく、圧倒的にモヨコ派。原作が連載されてた93〜94年はCUTIEなんてどこの本屋にも置いてるいるわけではなく部活で忙しかった私はより手近にアクセスできるセブンティーンを購読していたけど、90年代警察と言ってもいいほどこの頃のファッショントレンド風俗には目敏い自負がある。
なので高校生にしては老けてるのはまだ大目に見るとして、どの登場人物もヘアメイクはもう少しそれっぽくしてほしかった。

この頃の時代感がピンとこないというレビューも散見されていたけど、安心して欲しい、この作品で描かれる90年代(と直接言及していないにしても)はごく局地的でごく限られた文化圏の人の箱庭であって、マスでもマクロでもなければ、ほぼ架空の世界と言ってもいいと思う。
90年代は渋谷系の時代だったとか言ってる人だいたいフカしてるだけっしょ…

実際93年はブルセラに端を欲した援助交際が社会問題になったし、トレンディドラマにも続々と同性愛者のキャラクターが登場したから、当時の世相を反映してるとは思うけど、誰もが闇を抱えたり病んだりしてたわけじゃない。
だいたいどの時代も一定数の若者は閉塞感抱えてますから!
芸人の永野が以前言ってたんだけど90年代はネアカ(今で言う陽キャってやつか)のくせに「病んでる自分」になりたがる傾向があったんだよね、ってまさにその通りではないだろうか。
部活少女も一時期、山田詠美の世界とかに憧れたもん!あまりにベースが違ったけどさ!

なので、漫画原作を実写すると言う点においては及第だと思うけど(山田くんは吉沢亮くんピッタリね)同性愛も接触障害も援助交際も引きこもりも機能不全家族もセンセーショナルじゃない現代に伝わるものはあるのか…と疑問。
私にも多感な時期はあったけど、こういうのに惹かれるには心身ともに元気がありすぎるんだな、多分。
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