みずみずしくて、やりきれない。
ジュブナイルの真髄だった。
人口33万人台のアイスランドの映画。
サッカー・ワールドカップ・ロシア大会出場で話題の国、それも凄いが、そこから出た才能であるこの映画も凄い!
感性のなせるわざだ。
背景が遠くにあるショットが多く、火山島であるアイスランドの自然もよくわかるし、ひなびた漁村の風景も、雰囲気もよく映し出している。
映画はカメラさえあれば撮れる、身近な表現手段でもある。
しかし、そこから先の表現方法は、監督の手腕にかかっており、その意味ではこの映画にはみずみずしい才能が表れている。
国も時代も違うが、神代辰巳監督を思い出した。
『恋人たちは濡れた』とかの「土着」という表現を。
思春期の様々な要素が詰まっているところも、同性の彼への愛情もテーマとなっているところも、すばらしい。