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夜の浜辺でひとりの一のレビュー・感想・評価

夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)
3.4
ホン・サンス監督作品

ドイツのハンブルクと韓国の江陵という海辺の街を舞台に、新たな一歩を踏み出す女性の姿を描く

会話劇云々よりも、そこそこロメール作品を観てから改めてホン・サンス作品を観ると、構図がもろ被りしてて驚く

とはいえ、何気ない会話のひとつひとつを切りとっても、セリフ回しのセンスが異様に光りまくる作品で、ドキュメンタリータッチで描かれる気まずい空気感や、人間関係の歪みは妙に癖になる

映画監督との不倫スキャンダルにてキャリアを失った女優が友人達に気持ちを吐露し、温かい励ましに触れ、次第に主人公の表情が明るくなるのを見てしまうと、有無を言わさずグッとくるものがある

それを演じたキム・ミニの繊細な表情の変化も非常にリアルで見事だったけど、実生活でもホン・サンス監督自身と事実上不倫関係で付き合っている彼女にこういった役を演じて貰ったのは、映画とは関係ないところに深い意味がありそうだと勘ぐってしまう👌🏻笑

〈 Rotten Tomatoes 🍅92% 🍿69% 〉
〈 IMDb 6.8 / Metascore 80 / Letterboxd 3.7 〉

2021 自宅鑑賞 No.304 ザ・シネマ
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