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世界は今日から君のもののtomharakのレビュー・感想・評価

世界は今日から君のもの(2017年製作の映画)
2.5
ゲーム会社勤務(デザイナー)の人間として、あらすじみて興味を惹かれたもので観てみましたが、誤解を与えそうだな、とか表現的にどうか?と思う点が多々ありました。

先ずちょっとデバッガーに対して…初っ端から『ゲームのデバッグ?下働きだろ?』みたいな台詞が出てきますし(マキタスポーツが『仕事なんて大概下働きだ』みたいな雑なフォローを入れますけども…)、ゲーム開発におけるデバッガーの立ち位置に、この映画のつくり手のなんとなくの視点、すごいちっちゃい範囲での職業差別を感じました…

社外秘の取り扱いも見ててハラハラしましたし、知らんメアドに見積もりもせんと仕事発注するとか怖すぎるし…そもそも人間の描き方がなんか全体的に雑だし性格や行動がめちゃくちゃなやつ多すぎだよ、とか…レイプしかけたり、セキュリティ無視して会社乗り込んでエアガン乱射したり、Twitterフォローしてるってだけで盗みの疑いをかけたり、盗みを働いたり、みんなそこそこヤバいことしてんのに誰もまともに責任取ろうとしない…なんかなあなあで終わっちゃう…

プロの仕事をいろいろ甘く見てる気がしますし、引きこもりからの脱却、という深刻な問題を描くのであれば余計、リアリティに手落ちがあってはダメだと思うんですよね…

※門脇麦の、諦念を全身で表現してるような佇まいはとても良かった。

※個人的な所感ですしあんまり言いたく無いけど出てくる絵が全体的に微妙過ぎる…最初の方で門脇麦が直した絵も、すげー良くなった!感が伝わってこないんですよね…

※『画力』と『デザイン力』の違いとか、ゲームのキャラデザイナーに向いてるタイプの創造性とか、なんかここらへんも描写が雑でいろいろごっちゃに考えてる気もする

※わざわざ絵の才能にせずとも、デバッグの物凄い才能、ってとこでも十分面白い話に出来そうだし自分ならそちらを推したい。門脇麦の覚醒を皮切りに周りの奴らももう少しキャラ立たせてデバッグにおいては桁ハズレの技能集団としてチームを開花させてくよな…門脇麦も同じく主演した『止められるか、俺たちを』のメグミのように段々気合い入ってく…であらば観たい…

※サバゲーのシーンがある映画は駄作、の法則があると誰かが言ってた気がします。全てがダメだったとは言いませんが、この映画の中ではサバゲーのシーンが特に映画とは思えないものになっていた、とは思います。
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