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ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2のnaoズfirmのレビュー・感想・評価

4.1

ハリーポッターシリーズ最終章第2作目🎬

ストーリーは長年激しい戦いを繰り広げてきたハリーとヴォルデモートの最後の戦いを描いた作品でした。前作に続き仲間が次々と、、リーマス・ニンファドーラ・フレッド・スネイプ、大好きな人たちが。特にスネイプの死は大きすぎました。1番の嫌われ役を演じた偉大な魔法使い。愛など愚かなものだというように見せ、実は愛に生きた人でした。最も重要かつ複雑なキャラクターを演じ切ったアラン・リックマンは素晴らしい役者です。彼はリリーを愛し続け、闇の帝王ヴォルデモートまで裏切った、、その真の愛はとてつもないものです。二重スパイとしてヴォルデモートに仕えていましたが、スネイプの尽力は実らずリリーは殺されてしまいます。リリーを守れず絶望していたダンブルドアに諭され、リリーの遺志を継ぎ彼女の息子ハリーを守ることを誓う、、ダンブルドアがハリーを「死ぬべきときに死ぬために、今まで守ってきた」ことを話したときスネイプはショックを受けます。それを見たダンブルドアが「なんと、情がうつったのか?」と問いますが、スネイプは答えるかわりに守護霊を出します。それはハリーの母親の守護霊と同じ雌鹿です。ダンブルドアは驚き「これほどの年月がたってもか?」と聞きスネイプは「永遠に」とだけ言います。スネイプが愛していたのは生涯リリー一人だけだったと言っていいでしょう。もう泣けますね。自分の命さえ惜しくない、危険な二重スパイまでしていたのに、その甲斐なくリリーは殺されてしまった。スネイプにとって、一生に一度の願いはリリーが幸せに暮らすことだったでしょう。その存在を亡くした彼は生きる希望をなくしました。「リリー・エバンズを本当に愛していたのなら」お前の進むべき道ははっきりしていると告げたのでした。「リリーがどのようにして何故死んだか判っておるじゃろう。その死を無駄にせぬことじゃ。リリーの息子をわしが守るのを手伝うのじゃ」スネイプはそれに同意し、自分をいじめた父親を持つ子供を守ることを誓います。リリーが産み、リリーと同じ瞳を持ち、リリーが愛した息子だから。初めて見たときは涙が止まりませんでした。自分が最も愛した人と最も憎んだ人の子供であるハリー。それを守り続けるには、凄まじい葛藤があったと思います。閉心術を心得て、ダンブルドア以外には本心を見せず、徹底的に嫌われ者を演じる。最後にハリーに言った"僕を見てくれ"リリーの目と重ね合わせて発したこの最後言葉が忘れられません。

決戦の場はホグワーツ城、死闘を制したのはハリーでした。ここで最後にハリーがヴォルデモートを倒すことができた要因を3つにまとめます。一つ目は6つの分霊箱と自分自身とを合わせて魂を7つに分断し、不死になったと信じたヴォルデモート。"7"は魔法力が増す数字でしたが、実際にはハリーという8番目の分霊箱が存在しました。ハリーの中にあったヴォルデモートの魂を含めた全ての分霊箱を破壊したことで、決戦の時のヴォルデモートは不死の者ではなく"死する者"となっていたのです。二つ目は決戦の時ハリーは成人後で、母リリーの護りは消えていました。しかし【墓場での対決】で成人前のハリーの血を使って復活したヴォルデモートの体内には、保護呪文が有効なまま保管されていたのです。リリーの護りを持つヴォルデモートがハリーに対して本来の魔力を発揮することは不可能でした。三つ目は死の秘宝の1つで魔法界最強の伝説の杖。この杖をめぐってダンブルドアとヴォルデモートの思惑が複雑に絡み合いますが、最終的に杖はハリーに忠誠を誓うことになります。決戦でその事実を知らないヴォルデモートは、この杖で繰り出した死の呪文が自分に跳ね返り消滅します。忠誠心の強いニワトコの杖は、最後に真の所有者ハリーの手の中へ自ら飛び込んでいきました。

好きなシーンはマグゴナガル先生が使った呪文ピエールトータムロコモーター・モリーウィーズリーがベラトリクスを倒したシーン・橋の爆破シーン・ハーマイオニーを襲ったゴイルにロンがキレるシーン・ネビルがナギニをぶった切るシーンです。特にネビルの活躍にはしびれました。あの頼りなかったネビルが、ここまで立派に成長して、最後はグリフィンドールの剣で、分霊箱であるナギニを一刀両断しちゃいますからね。ルックス的にも性格的にも一番成長したキャラクターです。

作者が1番伝えたかったことは死です。作品の中でも多くの死を描いている。両親は魔法界の悪人に、友人や仲間も次々と死んでいく。なぜ死をメインテーマにしたのか。ローリングさんの過去の経験が関係しているという、貧困や差別に苦しむ人を救う活動をしていた、人間としての権利を認められず無残な現実を知るが、一方で人間の善良さも見たという。ローリングさんは、「世界を変えるのに魔法は必要ない。より良い世界になるという、想像する力を持っています。つまり、他の人の立場になって考えることができます。無関心は悪と同じ。」とハーバード大学で演説をしたそうです。
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