ベルサイユ製麺

デス・ライナーズのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

デス・ライナーズ(2016年製作の映画)
3.1
そして、コレが正真正銘の『デス・ライナーズ』である!!
何かの真似では無いよ!…ん?ジャケ写?は?

雪深い閑静な夜の住宅街。暗い室内、卓上に置かれたスケッチ?か何かを見た男性が顔色を変える。キッチンの包丁を手に、通りに出て、そのまま自分の胸を一突き!…絶命し、横たわる彼のそばに先ほどのスケッチ。そこに描かれているのは、包丁を胸に突き立てた彼の姿と、手書きの文字で“自殺しろ さもなくば家族を皆殺しにする”
浮かび上がるタイトル『Tell me how i die』…。
おやおや?『デス・ライナーズ』は?ちょっと擁護しづらくなってきましたが。
しかし、観続けていくと程なく『××ライナーズ』と勝手な邦題を付けたくなる理由が判明します。主演女優が、エレンペイジに若干似てなくも無い!大体7%くらいはエレン・ペイジだし、夕方に裸眼で熊よけスプレーでも浴びて見たらほぼペイジに見えるはずです!
ストーリーは、苦学生の7%ペイジが止む無くバイトに応募。そのバイトとは、かの有名な“治験バイト”a.k.aモルモットでございます!
♪癒えないモノを癒そうとして 顕微鏡覗き込んだ〜♪
テーマ曲、バンプ・オブ・治験で、『検体観測』でしたー!オーオーウォオー♪

…さて、人里離れたマジなんもない雪景色の中に巨大な施設がポツン。製薬会社所有の、試験の為だけの施設です。おおよそ1クラス分くらいの若者達が、今回臨むのは“記憶力を大幅に増強する新薬”の治験。実施要領は⚫︎携帯没収⚫︎本物の薬を投与する人と偽薬を投与する人がいて、本人にはそのどちらか告知されない(コレはホントのやつですね)⚫︎体調の変化を感じたら直ぐにスタッフに⚫︎被験者同士は自分の体調の事を話してはいけない…って感じです。勿論建物の外には出られないのですが、この施設が快適そうでしてなぁ…。海外IT系のキャンパスみたいな感じです。で、若者達が生活してるのをマジックミラー越しに渋谷の交差点に、じゃなくて、研究者達が観察するのですね。
薬の効果の出方にはそれぞれ差があるようで、最初に異常を感じた者は、ほんの数秒前の出来事をそっくりそのまま再度体験するという、体験をします。…体験を、体験。語彙!!
7%にはかなり劇的な効果が有り、色々な未体験のヴィジョンを断片的に見ることになるのですが、そのヴィジョンというのが“被験者達がみんな死んでる”という不吉なもので、卒倒して隔離されてしまいます。…果たしてこの新薬とは本当は如何なる効果を持つものなのか⁈
答え:〈未来が見えます!〉いきなり言うスタイル。では、7が見たヴィジョンは何処からもたらされたものなのか?冒頭の男性の自殺との関係は?みたいのがお話の焦点になります。

…うーーーー、惜しい!
さらにいきなりネタバレしますので、観る可能性のある人は注意して欲しいのですが、最終的に、“未来が見える何者か”と“未来が見えるナナ”の先の読み合いバトルになるのですが、この辺りが感覚的に分かりづらくてスピード感が無い!このトリッキーな設定を上手く活かしきれば、見た事無いような超次元バイトが生み出されたかもしれないのに…。あと、そもそも今作にアクティブなサスペンスを期待していなかったのもネガティヴに作用してしまったなぁ。
…でも、全然ダメじゃないと思いますよ。夜の研究施設を走り回る絵は普通に好きなヤツです。トラバサミのショックシーンとか斬新だったし。つまらない訳じゃないですよ。
まあ、先なんて分からない方が何でも楽しいに決まってますし、だからそもそもネタバレ全開のこんなレビューなんて読んで無い人に大推薦です!!どうぞ!
…おや?