せきもと

歓びのトスカーナのせきもとのレビュー・感想・評価

歓びのトスカーナ(2016年製作の映画)
4.0
ラスト30分で評価が好転した。
前半は切迫感や虚無感でストレスが溜まる。彼女らの行為は病的な足掻きでしかなくて何もうまない。何も産まないどころか他人に迷惑ばかりかける。ただただ自分たちが都合よければいいという発想で動く。
なんだこいつら、って思ってストレスが溜まりまくる。
海辺での二人の会話、病的であることを十分に自覚していて、病的な足掻き方しかできないことを何とかしたいと思っているということをやっと告げる。また、あがきの中で生まれた唯一の財産である二人の関係はそれぞれを支えるほどにまで成長してることも分かる。
さらにドナテッラは最後に息子と話すことで答えを見つける。
虚無まみれの行き詰まった大学生には刺さる映画。




やっぱ関係が全てなんですよ。金銭的な価値だって人間的な価値だって関係で決まる。他者との関わりこそが価値なの。対話によって価値を確認していくべきなの。でも映画なきゃ終わらなきゃ、人生なら死ななきゃ価値を規定できないから虚無の中で虚無を生み出すべく足掻き続けなきゃいけないわけ。つっっっら