アキラナウェイ

嘘を愛する女のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

嘘を愛する女(2018年製作の映画)
3.3
長澤まさみ、いいなー。
くしゃっと笑って、泣いて、怒って。
この、「くしゃっと」がいいなー。

愛する人の全てが嘘だったら…?

川原由加利(長澤まさみ)は大手飲料メーカーに勤めるキャリアウーマン。同棲していた恋人小出桔平(高橋一生)がクモ膜下出血で倒れ、病院に搬送される。そこで判明した信じ難い事実。運転免許証は偽造で、小出桔平という名は偽名である事、勤め先にもその様な男はいない事。これまで共に過ごした5年の月日は何だったのか。この男は何者か。由加利は桔平の過去を辿っていく。

「散歩する侵略者」でもそうであった様に、愛していた人が急に変わるという非日常に陥った時の長澤まさみが絶妙。戸惑い、怒り、取り乱しつつも、しっかり前を見て行動して真実を見極めんとする姿は「散歩する侵略者」のヒロインと重なる。

高橋一生もハマり役で、優しく笑っていてもその瞳はどこか空虚で、疑い始めると掴みきれない役柄を見事に演じている。この人、何せ声がいい。さすが耳すまの天沢聖司くん。

他のキャストも良かった。
探偵役吉田鋼太郎、その助手に普段とは全く違うキャラのDAIGO、チョイ役だけど黒木瞳、MVPは川栄李奈。「亜人」に続き、立派に女優としてのキャリアを積み上げている。

小出桔平の過去の軌跡を辿る内に明らかになる真実。もっとミステリー色が強いかと思っていたがそうでもなく、最後はぼろぼろと涙が溢れるヒューマンドラマだった。でもこの展開も嫌いじゃない。

瀬戸内の海と夕暮れが美しい日本的ロードムービー。