ノラネコの呑んで観るシネマ

嘘を愛する女のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

嘘を愛する女(2018年製作の映画)
3.2
マジンガーZが繋ぐ愛。
アイディアはとても良いと思う。
長年連れ添った恋人が意識不明の重体となり、調べてみたら名前も経歴も全てデタラメ。
彼の愛すらも嘘だったのか?と割り切れない想いに突き動かされ、長澤まさみが眠り続ける高橋一生の、本当の姿を探して旅に出る。
彼の抱えている過去に関しては、去年公開されたあるアメリカ映画に近いんだけど、それを彼女目線でミステリ仕立てで描いたのが特徴だろう。
しかし面白そうな要素は揃ってるのに、筋立てがあまり上手くいっていなくて、やたらと冗長に感じてしまった。
そもそも過去から逃げるなら、単に新しい土地に行って過去を語らねばいい話で、あそこまで徹底的自分の痕跡を消す理由がよく分からない。
引っ張って引っ張って、幾つもの想像できる真相のなかで一番ありきたりな所に落ち着いたので、ぶっちゃけ拍子抜けした。
川栄の不思議ちゃんも、キャラとしては面白いんだけど、結局賑やかしにしかなってない。
いい素材を、凡庸な方向性で料理しちゃった感じだ。