『普通を愛する映画』
キャリアウーマンの由加利は研究医の恋人の小出桔平と同棲して5年が経っていた。由加利の母と食事の約束に来なかった桔平は自宅近くの公園でくも膜下出血で倒れているのが見つかる。その際、所持品などを調べると持っていた身分証などは偽造されたモノだった。由加利は意識の戻らない桔平が何者なのか探し始めるのだった…
長澤まさみ主演。恋人役に高橋一生。
他にも吉田鋼太郎。川栄李奈。黒木瞳など豪華キャスト。
監督の中江和仁。自身が受賞したTSUTAYAクリエイターズのグランプリ作品を下敷きに本作を製作。
長編初監督ながら、この俳優陣を起用できるなんて、こういう若い監督を育てる試みは続けて欲しいですね。TOHOシネマズで半年前くらいからトレーラーがガンガンかけてたおかげもあってか週末の興収ランキングでも2位にランクインするなど良かったのではないでしょうか。
そして、肝心な映画の中身ですが…
THEフツーな仕上がりでしたね。
キチンと前半で伏線を張って後半で回収してるし。もちろんダメな部分もあるけど大きく指摘するような部分というよりも細かい部分なので許容範囲。
ストーリーに関しては予告などでサスペンス調になっているのに緊張感がない。かと言ってダレてるわけでもないから評価が難しいが。しかし、緊迫感は足りないというのは大きい欠点かも。「怒り」や「ユリゴコロ」のような差し迫ってる感じが欲しい。
そして、思ったよりも高橋一生の出番が少なかった。理由は病室で寝込んでいるからなのだが。高橋一生、目当てだと少しガッカリするかも。
見せ場となる長回しのシーンがあるのだが長澤まさみの演技がイイだけに下手に音楽で煽る必要がない。こういう邦画の悪い手癖は直した方がイイ。
今後の監督の次回作に期待。新人監督の割には上手くまとまり過ぎ。もうチョット作家性というか尖った部分を見たいな。