永遠のジャンゴの作品情報・感想・評価 - 8ページ目

永遠のジャンゴ2017年製作の映画)

Django

上映日:2017年11月25日

製作国:

上映時間:117分

あらすじ

1943年、ナチス・ドイツ占領下のフランス。ジプシー出身のギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトは、パリでもっとも華やかなミュージックホール、フォリー・ベルジェールに出演し、毎晩のように満員の観客を沸かせていた。まさに音楽界の頂点を極めるジャンゴだったが、一方で、ナチスによるジプシーへの迫害は酷くなり、パリをはじめ各地でジプシー狩りが起きていた。多くの同胞が虐殺され、家族や自身にも危険が迫り、絶望に…

1943年、ナチス・ドイツ占領下のフランス。ジプシー出身のギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトは、パリでもっとも華やかなミュージックホール、フォリー・ベルジェールに出演し、毎晩のように満員の観客を沸かせていた。まさに音楽界の頂点を極めるジャンゴだったが、一方で、ナチスによるジプシーへの迫害は酷くなり、パリをはじめ各地でジプシー狩りが起きていた。多くの同胞が虐殺され、家族や自身にも危険が迫り、絶望に打ちのめされるジャンゴだったが、そんななか、彼にナチス官僚が集う晩餐会での演奏が命じられる…。

「永遠のジャンゴ」に投稿された感想・評価

shiron

shironの感想・評価

5.0
音楽が与えてくれる高揚と癒し

てっきり、ジャンゴの一生を描いた映画だと思っていたので、ステファン・グラッペリとの出会いなんかを楽しみにしていましたが…
本作は第二次世界大戦中の二年間のジャンゴを追った物語で、一人のアーティストを通してロマ民族への迫害と、その犠牲に対する鎮魂を描いた素晴らしい作品でした。

見所は、何と言っても演奏シーン!!
初監督作品とは思えない臨場感で、思わず体が動き出し、あたかも映画の中の観客と一緒にその場で聴いているかの錯覚に陥ります。
一曲終わるごとに拍手したくなること請け合い!

ギターとバイオリンを重ねたジプシーミュージックとジャズを融合させたジャンゴの音楽は、時代を越えて現代でも人々の心を惹きつけて離しませんが、
得も言われぬ高揚感と一体感をもたらすジャンゴの音楽をプロパガンダに利用しようと、当時のドイツ軍が近づいてきます。

ユダヤの人々に比べると、語られることの少ないロマ族への迫害ですが、
そもそも領土を持たないロマには戦争という概念自体が無く、戦争はあくまでも自分達とは外の出来事だと思っていたことを初めて知りました。

そんなロマ出身のジャンゴは、たとえ見世物ギタリストと思われていようが、そんな差別はペロリと呑み込み、自由に演奏することで皆んなが喜んでお金が貰えるウィンウィンの関係に満足していたように思います。

しかし、戦争の影はジャンゴだけではなく、ロマ族にも及び
身内のロマ族が移動を禁じられ、何よりも大切な民族の自由を奪われたとき、ジャンゴは初めて自分の置かれている立場に気づき…

陣取り合戦に飽き足らず、国を持たないユダヤの人々と領土を持たないロマの人々を迫害した大戦の卑劣さを知ると同時に、差別と迫害について考えさせられました。
無知が故の差別も許しがたいのもだけど、人の生きる権利を奪う迫害は絶対にあってはならない。

ラストは楽曲に対する驚きと、深い感動に包まれました。(ネタバレ自粛)

《監督のトークショーより》
劇中で使われる音源は「ローゼンバーグ・トリオ」の演奏ですが、
ジャンゴのバックバンドを演じているみなさんも本物のミュージシャンで、もちろんジャンゴの曲はソロのタイミングから何から完璧に入っている方々だそうです。流石!
逆に、ジャンゴを演じたレダ・カティブさんはギター初心者だったとのことで驚き(*⁰▿⁰*)
監督曰く「今、エアギターでジャンゴをやらせたら彼が一番だろうねww」
苦悩や葛藤の中にもユーモアが漂う魅力的なジャンゴでした。

本当のロマ族の方も多数ご出演なさっていて、アドリブたっぷりの現場だったそうですが
「ギャラをあげてくれたらもっとやるよ。」はジャンゴの母親役のロマのばーちゃんが実際に監督に言った一言だそうです(*^ω^*)b

《余談》
ジャズ仲間と行ったデュークエリントン生誕100周年の野外ライブ(当時はフェスとは言わない)でステファン・グラッペリの演奏を生で聴いたのですが、とにかくマイペースなジジイで笑えました。
自分のパートが終わったら、フラッと下手に入ってしまい。しばらく経ったところで、またフラフラと舞台を歩き回っては、おもむろに弾き始める。
この映画を観て、ジャンゴと同じ自由なスピリットを持つ最高の相棒だったことを改めて痛感しました。
とえ

とえの感想・評価

3.5
第二次大戦中にヨーロッパで人気を博したジャズギタリストのジャンゴ・ラインハルトのナチスから迫害を受け、追われていた2年間を描く

ナチスドイツの民族浄化といったら、ユダヤ人を思い出すけれど、ロマ族(ジプシー)もまた、ナチスドイツに迫害されていた人たち

ここで描かれるジャンゴもロマ族の人で、彼と彼の家族がナチスドイツから逃げるように移動し続ける様子が描かれる

ロマ族へのナチスの迫害に対して、これ程スポットライトを当てて作られた作品もなかなかないんじゃないかと思う

そんなジャンゴを支え、助けていたのが彼の演奏する音楽で、いかつい顔したドイツ兵も、彼の演奏にはつい身体を動かして踊ってしまう

そうして彼はドイツ兵を喜ばせながら、その場をしのぎ、命を繋ぎ続ける

この音楽が本当に素敵で、ギターの音に癒されるし、その音にうっとりする

ジャズが好きな方や、興味のある方には、ぜひ観て欲しい作品

このレビューはネタバレを含みます

1943年フランス。当時、ドイツ政府は欧州制覇の為に、ユダヤ人、共産党員、ソ連軍捕虜といった様々な民族へ弾圧を行っていたが、特に、同じアーリア人のルーツを持つロマ族に対しては「劣等民族」として、ユダヤ人以上の迫害を行っていた。
そのロマ族の血を引くベルギー出身の天才ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトは、家族と共に居住地域を変えながら、演奏で生活をしていたが、度々、ドイツ派遣部隊の弾圧に遭い、身分証でロマ族と知れると不当逮捕されたあげく「ドイツ人将校達の前で慰問演奏するなら、自由にしてやろう」と言われる。プライドが許さず憤慨したものの、ジプシー狩りが激化したことを受けて、ジャンゴは家族を守るために、スイス亡命と引き換えに地元レジスタンスと取引を行い、慰問会に参加することにした。ジャンゴが情熱的な演奏を奏でている裏で、レジスタンスが負傷した英国兵を逃すのだ。優雅で美しい旋律はやがて激しい旋風へ。この音色はジャンゴの復讐の音色だ。ドイツ人達はその熱気にやられ、徐々に、そして激しくフロアーを踊り回る。

混沌とした時代だからこそ音楽の力を思い知る。音楽の前では民族の垣根なんてない。仲間思いで、音楽に愛されたジャンゴ。戦争が終結するとレクイエムを作曲した。
ロマ族には様々な才能に長けた人達がたくさん居たが、多くの芽が戦争という狂気に摘み取られていってしまった。歴史上では『ポライモス』と命名されている。戦争がなりを潜めている現在でもロマの生きづらさは変わっていないという。

「俺は音楽を知らないが、音楽は俺を知っている」

このセリフが1番ガツンときた。きっと仲間はもとより、全ての人々に音楽を通して、自由に生きることを鼓舞していたんだと思いました。体たらくな姿があっても音楽に対しては真摯だったジャンゴ。とてもカッコよかったです。。
ひたすら暗い。
エンディングに物足りなさがある。
でも当時のフランス・ドイツのファッションや文化がおしゃれ。
パイプオルガンを演奏するジャンゴ。
ジプシーのためのレクイエムを作曲、指揮するジャンゴ。
思っていたイメージとは、ずいぶん違ったジャンゴがそこにいた。

「ある土曜日の面会室」「涙するまで生きる」での演技が印象的だった
ジャンゴ役のレダ・カテブは2本指の演奏でよくジャンゴを真似て好演。
映画は地味でやや面白味に欠けるが、脚本家出身の
エチエンヌ・コマール監督の第一作で、
けれん味のない演出には好感が持てた。
KUBO

KUBOの感想・評価

3.5
11月8本目の試写会は「永遠のジャンゴ」。アンスティチュ・フランセにて、監督のエチエンヌ・コマールさんのトークショー付きで鑑賞。

まず、この作品を見て良かったことは「ジャンゴ・ラインハルト」というギタリストに出会えたこと。ジャズは好きなんだけど、そんなに深くないので、この作品で初めて知りました。火傷で左手にケロイド状の跡があり、薬指と小指が使えない。ギタリストとしては致命傷にも感じるが、残りの2本の指で(親指は弦を押さえるのには使えないから)超絶技巧の早弾きをやってのける! 次元は違うと思うけど、私は「GONTITI」や「DEPAPEPE」が好きなので、ノスタルジックなゆる〜いのも、思わず踊り出したくなるのも、両方好き。とりあえず Amazon Prime にジャンゴ・ラインハルトのアルバムがあったので、聴きながらレヴュー書いてます。(ここまで音楽のことしか書いてませんね(^_^))

1943年、パリ。ジプシー出身のジャンゴは、この時すでに人気ギタリストとしてホールを満員にするミュージシャンだった。だが支配を強めるドイツ軍はジャンゴにベルリンで演奏するようにと命令を下す。それを良しとしないジャンゴは家族と共にスイスへと脱出を試みるが…

ドイツ軍からの演奏に関する細かい指示が笑う。「ジャズを演奏する時でもベースは弦を使って弾くこと」「足でリズムを取ることを禁ずる。これは扇動に当たる」「リードは5秒以内」などなど。これじゃジャズにならない。

監督によると、主演のレダ・カテブはギターは全くの素人だったそうで、撮影に入る前に相当ギターの練習を積んだそうだ。おかげで世界一のジャンゴのエアギター奏者になったとか。音は出してはいないそうだが、画面から伝わるエアギターは相当な腕前だ。演奏自体はストーケロ・ローゼンバーグが弾いている。

また大戦中の人権問題というとユダヤ人ばかりに思いが行きがちだが、ジャンゴたちのようにフランス国内にいたジプシーたちも同じように迫害されていたということも初めて知った。

終盤、山を越えてスイスを目指す件は「サウンド・オブ・ミュージック」とも重なる。

ラストにかかる「迫害されたジプシーのための『レクイエム』」は、戦後一回だけ演奏された後、楽譜が消失。今回、音楽家ウォーレン・エリスが残された譜面からインスピレーションで補作、サウンドトラックとして復活したものだ。

エチエンヌ・コマールは今回初監督ながら「チャップリンからの贈り物」や「大統領の料理人」などの脚本を手がけている名脚本家。単にジャンゴ・ラインハルトの伝記の映画化とはせず、いちミュージシャンの目を通して第二次大戦時のフランスを描いた作品となった。

いかに困難な時代でも、ジャンゴの音楽に人々が笑顔になって踊る様子に、音楽の力を見た。
ナチス占領下のフランス。ジャンゴの生き様がこんなにもブルースだったとは…。演奏する曲の細部まで口出しするとは、時代がそうさせたのか。要所どころに雑な面も多々あるのが残念。
Kazusa

Kazusaの感想・評価

3.7
試写会にて鑑賞。

舞台はナチス占領下のパリ。
ジャンゴ・ラインハルトはその圧倒的なギターテクニックで人々を魅了し、刺激的で熱狂的な音楽を奏でる実在のジャズミュージシャンである。

物語は彼のもとへ届くナチスによるドイツでの演奏依頼によって始まる。ジャズという音楽はナチスの忌避する非アーリア系芸術であり、幾分かの野生的な側面を含むものである。ナチスが奨励したのは古典主義的なもの(いわゆるクラシック)だ。彼らからみればジャズは野蛮で下品な音楽である。そのためナチスはジャンゴの演奏する曲目、曲調に対して形式的な制約を課す。

それならいっそジャンゴなんか呼ぶべきではないじゃないか、とツッコミたくなるがそれもご愛嬌。なぜならこの映画の重要な点とも言えるジャンゴの演奏シーンがとても良く作り込まれているためである。
普通の音楽映画ではされないようなギタリストの指板へのクローズアップなどには驚かされた。

しかしながら、この映画は単なる音楽映画ではない。ジャズオタクのためだけの映画ではない。

物語は一つの理念へ向かって進行する。
その理念とは、「被迫害民族の鎮魂」である。ジャンゴのギタリストとしての矜持はジプシー民族としての誇りに裏付けられたものであり、彼を生へと駆り立てたのも家族への愛であった。
この映画はそれが良く表現出来ている。

これがなぜ2017年に公開される必要があるのかは説明がなされるはずもないが、ジャズファンは勿論、この時代に興味のあるひとなら必見の映画であろうと言える。
ストーリーは少し退屈だったが、音楽が素晴らしかった。エンドロールが重たかった。
Shoty

Shotyの感想・評価

3.6
ナチス占領下のフランス 冒頭の演出から予想したよりも穏やか

その他はまた今度 公開後にしましょう!