ジジイ

心と体とのジジイのレビュー・感想・評価

心と体と(2017年製作の映画)
4.2
心の障害と身体の障害。お互いの不自由さを補い合いながら愛を育もうとする男女の物語。面白かった。解説を読んで驚いたのは、エンドレ役の男性が俳優ではなく演技が初めての素人だという事実だ。「夢で会いましょう」というフレーズは散々使い古されたものだと思っていたが、こんなにピュアに胸に迫るような物語で美しく映像化されると参ってしまう。不器用すぎる二人が時に傷つきながらも少しずつ距離を詰める姿がたまらなく愛おしい。まるで「愛」という概念のない星からやってきたエイリアンのようなマーリアの描き方がユーモラスで楽しくもどかしく、また切ない。ときおり彼らを柔らかく包む光の表現が印象的で、まるで演技をつけられているかのように見える鹿のシーンも素晴らしかった。
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