ヒロ

心と体とのヒロのレビュー・感想・評価

心と体と(2017年製作の映画)
4.6
過去のトラウマが原因の男性対人恐怖症の女と半身麻痺の中間管理職の男が夢で鹿と成り出逢う。人の皮被らされこの世に産み落とされたモンスターが現実を生きていくのはどれほど辛い事なのか、それは痛いほどわかる。謂わばこの映画はリアリズム路線の『シェイプ・オブ・ウォーター』だと思う。三代目大好きなパリピやジャニオタメンヘラなんかより、レゴ使って今日の会話復習したりAV観ながらしたこともないSEXの勉強する私服が超絶ダサくて距離の詰め方に恐怖すら感じる安っぽいモンスター処女の方が1億倍いいのは間違いない。澄んだ空気に真っ白な雪の中を鹿と成り疾走する夢シークエンスと牛を切り刻み真っ赤な鮮血滴る食肉加工場の現実シークエンスの対比、男と女のミニマルな生活の対比、映像と構図に宿る意図のシーソーゲームがバチバチキマってた。物語に捻りがないといえばそれまでだがモンスターを救ったこの映画にはそれだけで存在価値があるように思う。劇場がシネマカリテじゃなければもっとよかっただろうな、狭いくせにいい作品流してんじゃねぇよ。映画で共演し声優でも一緒に今や家族ぐるみの付き合いにまで発展した峯田と麻生久美子を羨ましいと思いながら「夢で逢えたら」を聞いて帰ったとさ。
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