木葉

心と体との木葉のレビュー・感想・評価

心と体と(2017年製作の映画)
3.9
こんな不思議な映画にはなかなかお目にかかれない。
ひんやりしてて、透明過ぎる空気感と、厳かな雰囲気と、静謐で美しい映像と、チャーミングな登場人物たち。
コミュニケーションの取り方が夢という。
二人のシャイな男女が同じ夢を見ることにより距離を縮めていくラブストーリー。
食肉工場で働く血生臭く残酷で冷然たる日常と、幻想的で厳かな夢の世界の対比。

男エンドレは身体に障害があり(俳優じゃないのに演技が上手い)、女マーリアはアスペルガー症候群がありちょっとだけズレている。
ハンデがあり恋愛に臆病な二人が、共通の鹿の夢で一歩近づいたと思ったら、三歩離れていくのが観てて、もどかしく、でもほんわかしてしまう。
主役二人が魅力的で、いつしか幸福な時間が二人に訪れるよう願っているくらい、引き込まれる。
現実と夢が溶け合うようなラストは、温かさや静かな興奮をもたらしてくれる。
木葉

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