Jin

心と体とのJinのレビュー・感想・評価

心と体と(2017年製作の映画)
3.5
”夢を見ましたか?”
”見なかった気がします”


ブタペスト郊外の食肉工場で管理職を務める、片腕が利かない中年男性と、人とコミニケーションが取れない(なんらかの精神障害)女性の恋の物語。

ものすごく静かでゆっくりとした純粋な愛の世界を、白基調の映像とスローテンポな空気感で描く。

要は、人間らしい恋愛における心と体の「愛」の話。
心がつながるのか、体が交わるのか、その順番がずれる。

心の世界を「夢」として描き、それをヨーロッパの神聖な動物である鹿を使って表現することで神秘的に表現していた。
また食肉工場の屠殺映像からは、人間に流れる血も牛に流れる血も同じだと実感させられる。
「心」が人間らしさであり、心と体の両方がつながるのが愛。


世界設定は綺麗だし表現も美しいけど、内容自体は大したことない気がする。心と体のテーマも新しくはない。
スローテンポの微妙な空気感が必要だったのかもしれないが、精神障害、身体障害、屠殺、夢…ちょっとまどろっこしすぎる感じもした。

常に無表情なのは面白いし、人間味ってなんだろうなって考えさせられるけど、長かったかな。

撮り方とか演技は「おお…」ってなった。
Jin

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