はなふさよめこ

心と体とのはなふさよめこのレビュー・感想・評価

心と体と(2017年製作の映画)
3.6
『心と体と』@豊劇 超オススメです!スクリーンで観たほうが絶対良いです。
想像よりやられた…いい…『君の名前で僕を呼んで』よりこちらのが好きとの声もある本作、豊劇では2人しか観客が居ないのを良い事に泣いちまった…誰か観て私とお話しして…って気分に溺れてる。

以下感想↓

予告での、雪山の鹿の美しさに惹かれてこの映画を観ようと思ったんだけど、想像以上に鹿の場面が素晴らしくて、あの世界に肉体を持ちたいと感じたし、特に疾走する鹿に並走する場面の美しさったらなかった。どうやって撮ってるの?

そして、あのラブソングですよ。
あの曲に慄いて慌ててスイッチを切るところでガツンときた。
古い映画だけど『霧の中の風景』で主人公の少女が青年との恋が実ら無いことを悟り走り出す場面を思い出した。なぜかあの衝動が甦ってきて自分でも驚いた。
が、初恋として捉えるならばそう遠くもない連想だったのかもしれない。

それとは別に、この映画が良かった人には『君にしか言えない秘密のこと』を強く推したい。(こちらは少しヘヴィですが)寄る辺なき魂が呼応し、静かに寄り添っていく、という意味においてかなり近い作品だと思う。

終盤の展開からのエンドロールが見事で、展開としては予定調和ではありながらも、停滞していた歯車が回り出すリズムの心地よさと幸福感がすごい。だからこそあの曲が沁みる。安易にキスさせてなかったのも良き。かわいい映画でした。
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