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心と体とのnagashingのレビュー・感想・評価

心と体と(2017年製作の映画)
3.5
体毛、鼻息、咀嚼、疾駆。鹿のあらゆる部位と挙動が凛々しく艶かしく美しい。五感をビシビシと刺激してくる。ストーリーはセカイ系の亜種みたいな感じで、自分と相手しかいない(ような)世界における交感とイメージの共有をつうじて男女が強引に結びつく、というもの。ただし、たとえ心が社会領域を越えてつながったとしても、体はそれを許されない。食肉精製場という舞台や局部へのクローズアップなど、人も動物にすぎないことを強調するもろもろは少々露悪的だが、老境と障害の前に立ちすくむ男にたいして、ヒロインが試行錯誤しながら自身の官能を解放していくとき、これらの仕掛けは人が鹿の美しさに肉薄する装置へと転じる。カウンセラーの先生のおっぱいはバストショットの時点でガン見してしまったので、次のカットでクローズアップされたときに「負けた」と思いました。
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