藍色

スキン~あなたに触らせて~の藍色のレビュー・感想・評価

4.3
「社会派コメディ」と紹介文にはあるけどコメディではないような。

登場人物達は皆奇形だったり、身体完全同一性障害(BIID)だったり、奇形しか愛せなかったりと様々な問題を抱えている。

その中で、誰かと心を通わせたい、触れ合いたいと望み、愛と幸福を探すことがテーマとなっているのだなと感じた。

登場人物が多くてどうラストに向かうのか気になっていたが、最後はすごく綺麗にまとまっていると思う。

外見を否定され続けた女性は自分の外見ごと愛してくれる人に出会い、奇形しか愛せない男は望み通りの女性と付き合うことができた。彼が以前振られた時に「貴方は私の奇形な外見にしか興味がない。ちゃんと人間として見て」と言われて泣いたことは彼自身の成長に繋がってると思うし、次の彼女とはちゃんと良い関係を築けると信じられる。


肥満症の醜さから自分より弱い立場の者を見下していた女性は、そのままの自分を受け入れてくれる盲目の女性に出会えた。一方的に触れられることばかり求められていた盲目の女も、触れ合うことのできる人を手に入れることができた。

後天的に整った見た目を失った男はそれを取り戻すことができ、外見に拘らず自分という人間を認めてもらいたい女性は独り立ちへの一歩を踏み出す。

足を切り落としたいと願っていた男も、死後はそれを手に入れたし、そもそもその欲求の根源にあった父からの愛も死後に手に入れたと言えなくはない…のかも。

それぞれの登場人物たちが皆、もがいた末に愛と幸せを掴むことができてとても綺麗な話だと思った。